第27章 今宵はふたりで【過去作派生中編 🤍→主←🐾 ♟️】
「! 主様」
「それでは、妹は………、」
「シルビア様はあなたとの時間が与えられなくて、とても寂しがっておいでです。
だから………シルビア様がそうなったりしないように、時間を割いて差し上げてください」
「っあなた………わたくしに何をされたか、わかっていらして……?」
信じられないといった表情で彼女を凝視するシルビアに、ヴァリスは唇をひらいた。
「はい。
でも、………誰にも顧みられない寂しさと痛みは、私には痛いほど理解できますから、」
そう言って微笑って見せるヴァリスのおもてに、
何故フェリスが彼女に心惹かれたのか、その答えを視たようで。
「……ごめんなさい」
「! シルビア様」
「詫びとして、わたくしの、………これを受け取って頂戴」
そう言ってヴァリスに近づく。
ルカス達が肩を強張らせたが手で制すると、
彼女の胸元にシルビア自身の手で留られたのは、きらきらと燭台の灯りを反射するサファイアのブローチ?
「シルビア、いいのか? それは母上の形見だろう」
驚きの声を上げるフェリスに慌てて取り外そうとするも、
その手にシルビアのそれが重ねられ、やんわりと止められる。
「そんな……シルビア様の大切なものなのでしょう? 頂けません」
「わたくしが、貴女に持っていて欲しいの!
二度と貴女にあのような真似をしないことへの、わたくしの誓いと約束のしるしよ」
そう言ってヴァリスの手を包んでくる。
痛ましそうに触れる彼女に微笑んで、おずおずとその指を握り返した。