• テキストサイズ

訳アリ主と恋スル執事たち【あくねこ短編集】

第27章 今宵はふたりで【過去作派生中編 ‎🤍→主←🐾 ♟️】


「! 主様」



「それでは、妹は………、」



「シルビア様はあなたとの時間が与えられなくて、とても寂しがっておいでです。

だから………シルビア様がそうなったりしないように、時間を割いて差し上げてください」



「っあなた………わたくしに何をされたか、わかっていらして……?」

信じられないといった表情で彼女を凝視するシルビアに、ヴァリスは唇をひらいた。



「はい。

でも、………誰にも顧みられない寂しさと痛みは、私には痛いほど理解できますから、」

そう言って微笑って見せるヴァリスのおもてに、

何故フェリスが彼女に心惹かれたのか、その答えを視たようで。



「……ごめんなさい」



「! シルビア様」



「詫びとして、わたくしの、………これを受け取って頂戴」

そう言ってヴァリスに近づく。

ルカス達が肩を強張らせたが手で制すると、

彼女の胸元にシルビア自身の手で留られたのは、きらきらと燭台の灯りを反射するサファイアのブローチ?



「シルビア、いいのか? それは母上の形見だろう」

驚きの声を上げるフェリスに慌てて取り外そうとするも、

その手にシルビアのそれが重ねられ、やんわりと止められる。



「そんな……シルビア様の大切なものなのでしょう? 頂けません」



「わたくしが、貴女に持っていて欲しいの!

二度と貴女にあのような真似をしないことへの、わたくしの誓いと約束のしるしよ」

そう言ってヴァリスの手を包んでくる。

痛ましそうに触れる彼女に微笑んで、おずおずとその指を握り返した。
/ 288ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp