第7章 強くなりたい
作業が終わり、何時もの様にローの部屋へシャワーを借りにいく。
覚悟していたけれど、鏡を見て自分の身体の赤い跡が生々しく残っている姿にまた悲鳴をあげそうになった。
暫くはあのツナギを脱げなさそうだ。
これはやり過ぎなのではと抗議したくなったが、文句を言える立場でも無い。
兎に角、誰にも見つからない様にしようと決心した。
シャワーから上がるとローはニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべていて、「薄くなったらまた付けてやる。」なんて揶揄って来た。
『もうローさんからの仕置きは受けませんから。』
今日の仕置きに懲りていたはそう告げるも、嫌な気はしなかった。
ちゃっかりローに髪の毛は乾かして貰ったが、少しいじけた様に『今日は一人で寝ます』と早々に自分の部屋へと戻った。
ローは若干不服そうであったが、折角クルーの皆んなが揃えてくれた部屋なのだから使わないのは勿体無い。
自室のベッドもローの部屋と変わらずフカフカですぐに眠ってしまった。
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次の日の朝、他のクルーよりも少し早起きすると一人甲板に出て、鍛錬を始めた。
(もっと強くならないと。みんなに迷惑掛けたくない…!)
早朝だからか、風も涼しく、動きやすい気候だった。