第7章 強くなりたい
(これはお仕置きだから。私が悪かったから、仕方ないんだ。)
そう言い聞かせながら、彼の動きが止まるのをひたすら耐えていた。
彼の舌が離れる頃にはすっかり息も上がっていた。
『………ごめんな、さい…。』
ローは顔を真っ赤にして涙で目元が濡れたの姿を見て、これ以上続けては彼自身の自制が効かなくなると判断したのか、漸く彼女の身体から退いた。
「分かればいい。」
が腕で涙を拭っていると、ローから一着の服を渡される。
「お前の分だ。普段過ごす分にはこれが一番動きやすいだろ。」
昨日沢山服を買ってもらったが、貰った一着はみんなとお揃いの白いツナギだった。
だが、彼女の分は下がズボンではなく、スカートになっていた。
「デザインはシャチに任せた。文句あるならアイツに言ってくれ。」
『わぁ…!嬉しいです。ありがとうございます。』
まさかお揃いのツナギを貰えると思わず、さっきまで涙で濡れていた表情とは一変して、表情が明るくなる。
早速、着てみるとサイズもぴったりだ。
『可愛い…!』
満足気に笑みを浮かべる彼女の姿に、ローの口角も僅かに上がる。
ローの飴と鞭に振り回されつつも、彼の事を嫌いだと感じた事は一度も無かった。
寧ろ、仲間として受け入れられている事が嬉しかった。
「これお前のだろ?ペンギンが回収してくれていた。後で礼を言っておけ。」
渡されたのはローから借りていた電伝虫と護身用のナイフ、そして薬屋で貰った薬草の苗達だった。
『はい!ありがとうございます!』
折角分けて貰えた薬草の苗をどこかに放置してしまっていたのかと気掛かりにはなっていた為、安心した。