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【ONE PIECE】毒姫と外科医【ロー】

第7章 強くなりたい




「…ったく。何故俺たちに助けを求めなかった?」


一言目に告げられた言葉はごもっともではある。だが、いつもよりも低く明らかに怒っているローの声と向けられる目線が怖くて、止まっていた涙が再び溢れ始めた。


『ごめんなさい…。』


何とか言葉を振り絞ろうとするがその声は震えていた。

二人の様子を見兼ねたシャチが口を挟む。

「まぁまぁ。そんなにを責めないでやってくださいよ。がある程度の敵を倒してくれていたから此処まですぐ辿り着けたんだし。」

「そうだよ、キャプテン。怖がっちゃってるから、許してあげて。」

ベポも心配になりの顔を覗き込めば、頬に垂れた涙をふわふわの手で拭ってくれた。


二人の言葉にローが大きな溜息を一つつくと、破れた服を隠す様にローの腰に巻いていたパーカーを彼女に掛けると、姫抱きのまま出口へと歩き始めた。



「話は船でたっぷり聞いてやる。兎に角此処を去るぞ。海軍も次期来るだろう。」


何とかこの場は凌げたが、船に戻ってからはまた長い長い説教が始まりそうな雰囲気だ。
だが、ロー達が助けに来てくれた嬉しさの方が今は上回っていた。


『どうして此処が分かったんですか?』

ふと気になっていた事を聞いてみた。
因みに自分では気絶してた為、此処が何処か全く分からない。

勿論、ロー達も最初は何処に行ったか分からず、薬屋の店主に聞くがもう店を出て行った後だと聞いて探し回った。

しかし、裏通りに身体が痺れて動けない男達が倒れていたのだ。


「お前の毒でやられた男達に場所を吐かせた。」

『な、成程…。』


相当あの毒は効き目が長く効いたみたいだ。
だが、まだまだ改良の余地はありそうだと頭が解析モードに入っていると、ローからデコピンを喰らってしまった。

「敵を倒したのは良くやった。だが、反省はしろよ?もっと俺達を頼れ。一人で何とかしようとするな。」

『いてッ!……はい…ごめんなさい…。』


結局ローから散々小言を言われながら船へと戻る事になった。

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