第7章 強くなりたい
電流を流される痛みに手足がバタバタともがく。
余りの痛みに涙が出てきた。
それに加えて痺れて身体も動かなければ、舌も回らず喋れない。声を出したくても、声を上げれない。
「漸く大人しくなったか。手間取らせやがって。」
身体が動かなくなったのを確認した男は、の服に手を掛けるとビリビリと乱暴に布を破き始める。
抵抗しようとしてもまだ身体が痺れて、出来ない恐怖心にボロボロと涙が溢れ出る。
(やばい…。どうしよう。何もかもローの言う事をちゃんと聞かなかったのが悪いんだ。
でも、このまま襲われるのは嫌だ。
ローさん…助けて…!)
その時だった。
「ROOM…シャンブルズ。」
聞き覚えのある声が聞こえたかと思えば、の身体は鎖の中では無く、ローの腕の中に瞬間移動していた。
『……ッ!』
「全く…。帰って来ねぇと思ったら、こんな所で捕まりやがって。」
必死に謝ろうと声を出そうとするも、まだ痺れて舌が回らず上手く出せない。代わりにローが来てくれたという安心からか、更に涙が溢れ出る。
ローの背後からは、ベポやシャチ達が急いで駆け付けてくれた。
「待って!キャプテン!早いよぉ!」
「お、!無事だったか。」
「心配したんだからな〜!」
皆んなの言葉に勝手に捕まってしまっていた罪悪感で胸が苦しかった。しかし、それと同時に心配して探してくれていた事が嬉しかった。
「キャプテンってば、が船を出てからずっとソワソワしてたんだから。」
「言うんじゃねぇ!」
ベポの言葉に目を見開く。ローには相当心配を掛けさせてしまったらしい。きっと後でこっぴどく叱られるだろうがそれは仕方ない。
そんな空気を破るように、元凶である男の低い声が響いた。
「おい…勝手に商品を奪ってるんじゃあねぇよ!…お前たち、やれ!」