第7章 強くなりたい
目が覚めると見知らぬ部屋にいた。
窓も無く、暗くてじめじめしており、地下室だろうかと推測する。
両手首と足首はそれぞれ鎖で繋がれており、このままオークションにでも売り出すつもりなのか、ご丁寧に首輪まで繋がれた侭、床に転がされていた。
おまけに、殴られた後頭部辺りがガンガンと痛い。
(……捕まっちゃったなぁ。ローさんにきっと怒られるよね。どうしよう…また迷惑かけちゃう。)
ガサガサとポケット指先で探るも、持ち物は全て取られていた。
(このまま売り飛ばされたら、ローさん達に二度と会えなくなるのかな…。)
そんな事を考えたら急に悲しくなってきた。暗くて誰もいない部屋が寂しくて堪らない。
その時、鍵の開いた音がしたかと思えば、部屋の扉が開かれる。
中に入ってきたのは、自分を殴った大男といかにもボスらしき男だ。
「やっとお目覚めか。こんな島で毒姫殿に会えるとは光栄だよ。部下達を散々可愛がってくれたみたいだがねぇ。」
ニヤニヤと笑みを浮かべるその男は、手配書で見かけた事がある。
確かヒューマンオークションに精通していた男だ。
男はの目の前にしゃがみ込むと首輪に繋がった鎖を持ち上げて顔を上げさせる。
「君の才能は素晴らしい。君のその脳みそを求めている人間は幾らでもいる。
それに容姿もなかなか悪くない。売る前に俺達で味見してやっても良い。」
舐めるような目線が気持ち悪い。顎に手をかけられ、顔を近づけられると堪らず男の指へ思い切り噛み付いた。
『触らないで…ッ!』
「痛ぇッ!チ…ッ、行儀の悪りぃ女だ。」
男は鎖から手を離すとそのまま床に身体が打ちつけられる。そして、舌打ちすると同時にポケットからリモコンを取り出すとボタンを押すと同時に身体中電気の走る痛みが襲った。
『きゃッ!!』