第2章 襲撃
「まさか毒姫様直々に来てくれるとはな。光栄なもんだ。」
『あんな演説されて、黙って隠れれる程腐っては無いわ。』
まさか目の前に飛び出してくるとは思ってもいなかったのか、ドフラミンゴの眉が吊り上がる。そして、一歩ずつへと近づき目の前へと現れる。
(私なんて一握りで殺されてしまいそうだ。)
緊迫した空気に包まれる中、ドフラミンゴが腰を屈め、の手を取ると、態とらしく手の甲に口付けを落とす。
『ひ…っ!な、何するのよ…。』
突然の行動に思わず小さな悲鳴と共に手を引っ込めてしまった。
「何って、ちょっとした挨拶だよ。言っただろ?迎えに来たと。お前の作った毒薬の評判は聞いている。その能力、こんなちっぽけな街で終わらせちまうのは勿体無いとは思わないか?俺のファミリーに入れ。お前の能力を最大限に活かさせてやる。悪い話ではないだろ?」
『…いきなり街を襲って、私にファミリーに入れだなんて…。そんな乱暴な人達の仲間になる訳ないでしょ?』
ドフラミンゴの威圧感に負けないよう睨み返すが、その声は恐怖からか僅かに震えていた。
「お前、黙って聞いていれば、若様に歯向かう気か!!」
周りにいた部下の男がの首元をめがけて剣を突き立てる。
『そうよ!コイツの仲間になるくらいなら、死んだほうがマシ!』
「随分と威勢が良いなァ。ならば、無理矢理連れて行くしかねェようだ。」
その言葉とともにドフラミンゴの手の中から糸のような物が作り出される。
頭の中は早く逃げろと警鐘が鳴る。
(やばい…!)
その時だった。
「ROOM……シャンブルズ!」
ドフラミンゴの目の前にいた筈なのに、突然誰かの腕の中へと瞬間移動していた。
「さっさと逃げるぞ。」