第2章 襲撃
まるで魔法のように瞬間移動したは頭の理解が追いついて居なかった。
身体が宙に浮き、見知らぬ男に横抱きにされていることを漸く把握したところだ。
『え?!何、これ…貴方誰!?』
「良いから黙ってろ。舌噛むぞ。」
『はい…!』
(助けて…くれたのだろうか…?)
彼の言う通り、黙ったまま振り落とされないように男の服を握り締める。
遠くの方でドフラミンゴ達の姿が見える。部下達が追いかけて来ている様子は見えたが、追い付かれるよりも前に、港へと到着すると大きなオレンジ色の潜水艇が目の前に現れた。
「お前を連れてこのまま潜る。ベポ!」
その時、身体が再び宙に浮いたかと思うと、オレンジ色のツナギを着たシロクマがの身体をキャッチした。
「アイアイ!キャプテン!」
『きゃっ!し、しろくま…?』
「ROOM…タクト!」
助けてくれた男の声とともに、ファミリーの目を眩ませる為か、船の前に大きな波を発生させた。
その間に男も潜水艇へと入ると、急いで海中へと潜って行った。
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「若様。追いますか?」
「まさかアイツにも会えるとはなァ。ククッ。追わずとも何れ必ず奴とは会う運命にある。その時に奪えば良い話だ。それまでは好きに泳がせておけ。」
誰も居なくなった港に、ドフラミンゴの不敵な笑みだけが響いた。