第7章 強くなりたい
ようやく薬屋を見つけると、店主のおじさんがまた来てくれたのかと笑顔を見せてくれた。
『昨日はありがとうございました。今日は育てる用の薬草の苗を分けていただきたくて…。これ、私が作った薬なんですけど、これと交換とかって出来たりしますか?』
「成程。お嬢ちゃんも薬剤師だったね。どれどれ、見てみよう。」
まだ会って2回目なのに、店主は薬を受け取ると品定めをしてくれた。
『これは鎮痛剤です。いつ飲んでも比較的胃に優しいので、食事が摂りにくい方でもお勧めです。こっちの漢方は浮腫予防に良くて、私の島でも良く女性に調剤していました。』
一つ一つ丁寧に解説していくと、店主はこくりと頷き、買い取ろうと快諾して貰えた。
「それにしても、お嬢ちゃんまだ若いのに良い薬作るね。」
『あはは、私には薬を作る事しか出来ないので…。』
まさか褒めて貰えるとは思っておらず、口角が緩んでしまった。
無事、船で育てる用の薬草を手に入れたと思った。
薬屋をから路地へと出た途端、柄の悪そうな見知らぬ男達に囲まれたのだ。
『おじさん達、誰ですか…?』
「お前が’毒姫'で間違いねぇな?
俺達とちょっと来てもらおうか。」