第6章 初めての上陸
毒を作ることしか能がない私がハートの海賊団にこれ程受け入れられているという事実が心に沁み渡る。
今思えば、あのときに助けてもらったのも、ハートの海賊団に入ることになったのも全て運命なのかもしれない。
『ローさん…私、まだまだ未熟者ですが、必ずローさん達の役に立てる様に頑張ります。
ハートの海賊団の皆んなが本当に大好きなんです。』
「嗚呼。お前には期待している。」
『ローさん…!』
今になって素直に自分の気持ちをローに話すと、心が軽くなる様な感じがした。
ローは大きな手をの頭に乗せると優しく撫でてくれた。
こうして誰かに褒められるのは慣れていないが、嫌ではない。それに相手がローというだけで頬が赤く染まってしまい、それを隠すように顔を俯ける。
それを面白がるようにニヤニヤとローは口角を上げていた。
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漸く二人の間の緊張は解けてきたのか、運ばれてくる料理でお腹いっぱいになったのもあり、さっきよりも会話は増えてきた。
気不味い空気感は最早皆無だ。
気付けば時計の針は0時を超えており、日付が変わってしまっていた。そろそろ船に戻って休みたい頃合いだ。
が欠伸を一つすると、ローも「そろそろか。」と支払いを済ませてくれた。