第6章 初めての上陸
彼女達は皆胸元の空いた綺麗なドレスを着て、そこらの男なら簡単に付いていってしまうだろうと思える雰囲気を醸し出していた。
しかし、ローは彼女達の言葉を無視して、黙々と酒の呑み続ける。
彼女達はその後も、ローに向かって誘いをかけるも、一切相手にしないことにイラつき始めていた。
「ちょっと!聞いてんの?!退いて、アンタ邪魔よ。ねぇ、この女よりも私の方が魅力的でしょ?」
『きゃ…ッ!』
怒り始めた女に突然肩を掴まれたかと思えば、カウンターチェアから引き摺り降ろされ、床へと身体を打ち付ける。
その瞬間、一切相手にしていなかったローが女を睨みつけると低い声で言葉を発する。
「テメェら。ウチのクルーに手ェ出すってことはそれなりの覚悟が出来てんだろうなァ?」
ローの威嚇に怖気ついたのか、女達の顔が青くなっていく。
「そ、そんな女のどこが良いのよ!もう良いわ。貴方なんて知らない!」
「ホント見る目ないわね、アンタ。」
女達はそれぞれ言い捨てると、そそくさとその場を離れていった。