第6章 初めての上陸
ベポに擦り寄り、そのもふもふの毛皮を堪能していると、少し不機嫌さの混じったローの声が聞こえてくる。
「……。あまりベポに引っ付くな。仮にもオスだぞ。此処は男所帯何だから警戒心を少しくらい持て。」
『ぅう…。分かりました。ごめんベポ。ついはしゃいじゃった。』
ローの言葉に眉を下げて返事をすると、大人しくベポから離れる。まるでお母さんみたいだ。
「全然大丈夫。俺は寧ろ嬉し…ヒッ!スミマセン……。」
嬉しいと良いかけたところでローの鋭い目線がベポを貫く。その視線に顔を青ざめたベポは静かに謝った。
シャチとペンギンはそんなベポの姿を見て、いつもベポには超甘い筈のローの言動に落ち込むベポへ哀れな目線を送る。
だが、そんなベポを見兼ねてか、が少し上目遣いでローを見上げ、彼の手を自分の手でふわりと包み込む。
『ローさん、あんなにも嬉しいプレゼントを用意して下さってありがとうございます。
私、こんなにも歓迎して貰えるなんて思いもしなくて、本当に嬉しかったんです。だから、ベポを怒らないで……。』
「………今回は許す。、荷物を整理し終わったら晩飯にする。用意が出来次第俺の部屋に来い。」
『分かりました。』
どうやら少し機嫌を直してくれたようだ。内心ほっと安堵する。
運んでくれた荷物の荷ほどきを終えると、折角だからとローに買ってもらったブティックで揃えた洋服に着替え、ローの部屋の扉をノックした。