第5章 鍛錬
『98…ッ、99……100ッ!はぁ…ッ、疲れたぁ…!』
「お疲れ様!ちゃん!」
ベポとの筋トレも終わり、久々の運動に疲れ切った身体は既にプルプルと震えている。
(これは、筋肉痛の予感がする…。)
明日はきっと身体がバキバキだろうからしっかりと解そうと思った。
甲板にベポと一緒に寝転がっていると仕事が一息ついたのかシャチとペンギンが此方を覗き込んできた。
「オツカレ!ちゃん!ベポと一緒に鍛錬とかやるじゃん!」
「よく頑張ったな。ちゃんと水分補給もしろよ?」
そう言って、ペンギンは水筒を手渡してくれた。
冷たい水が喉を通る。こんなに美味しく感じたのはいつぶりか。
『……っ、ありがとうございます。ペンギンさん、シャチさん。』
「敬語は無しでいーよ。俺らもう仲間だろ?名前も呼び捨てで良い。勿論、ベポもな?」
「アイアイ!俺らのことは気軽に呼んで!」
『ふふっ、ありがと。じゃあ、そうする。』
彼女の微笑みに1匹と二人は明らかにデレデレとしていた表情を浮かべていたが、彼女の体勢が変わるとともに服の隙間からカランと小刀が床に落ちた。
「ちゃんは剣術も出来んのか?」
『うーん、あんまり出来ないけど。怖い人たちと取引したりもしてたから一応持ってたの。』
「じゃあ、シャチやペンギンとも練習出来るね!」
「そうだな、俺たちも相手になるぜ。」
「ちゃんが持ってるその刀使っても良いぞ。」
『うーん…。これ使っても良いけど、毒付いてるから掠ったら即死だよ?』
(((やっぱり物騒…!)))
「何てもん持ってんだ!!?俺たち海賊だけど!!!」
「ちゃんは平気なのか?そんな危ねぇもん使って。」
『私は元々毒効かないから平気なの。この刀に塗っている毒も私が調剤したものだから。えへへ。』
(((照れながら言うことじゃねぇ!!!)))
「流石にその刀を俺らに使われるともしもの時が怖えから、練習用のこれ使ってくれ。」
毒が染み付いた刀で斬られるのは溜まったもんじゃ無いと、シャチが練習用の刀を手渡す。
『わかった!じゃあ、剣術の鍛錬もお願い!』
「「おう!!」」