第5章 鍛錬
漸く一息ついただったが、船内の朝はいつも忙しい。
掃除に洗濯、次の島への航路の確認、昼食の準備、日々の鍛錬など、クルー達は大忙しだった。
部屋の外ではバタバタと駆け回るクルー達の足音が聞こえる。
皆忙しそうに働いている中、自分だけがのんびりと過ごすのは何だか腑に落ちなかった。
『ローさん。私に何か手伝えることはありますか?勿論薬の研究はするつもりなんですけど、家事とか掃除とかそういったことも手伝いたいんです。』
彼女の言葉にローは少し考え込めば、ふと此方を見る。
「………。この前ドフラミンゴに勝負を仕掛けていたが、お前闘えるのか?」
『えーと…それは…。闘ったことは、ほぼ皆無です。逃げるのは早いんですけどね!』
ローの問いかけに開き直った様に答えると、はぁ、と大きなため息を吐いたローは頭を抱えた。
(あの時俺が助けなかったらどうするつもりだったんだ。)
「よし、お前はベポ達と鍛錬に参加しろ。海賊になったんだ。自分の身は自分で護れるようになれ。」
ローは今まで闘いとは縁知らずであったを守るつもりではあったが、必ずしも自分が側に居れるとは限らない。護身術の一つや二つ出来ておいた方が良いと判断したようだ。
『鍛錬ですか…?分かりました。頑張ります!』
一瞬ぽかんとした表情を浮かべただったが、直ぐに目を輝かせてローの言葉に頷いた。