第4章 歓迎会
彼の一声に皆んなが一斉に酒を飲み始める。
流石海賊。飲むペースがとても早い。
あっという間に次から次へとお酒が注がれていく。
私も負けじと飲むが、中々量は減らない。
ベポ達と他愛もない会話をしながら、飲んでいるとシャチの帽子を被った男の人が自分のお酒が余り減ってない事に気付いた様子で近づいて来た。
「よっ!俺シャチって言うんだ。ヨロシク、ちゃん。
あれ?全然酒減ってねぇじゃねぇか!
今日はちゃんが主役なんだから遠慮せず飲めよ!」
帽子の通りこの男の人はシャチというのか。何とも覚えやすい。(2回目)
既に酔いが回り始めているのか、顔を真っ赤にしてテンションが高い様子のシャチはの肩に手を回しパンパンと叩いてくる。少し痛い。
『シャチさん、急かさないで下さいよぉ…。ちゃんと飲みますから。』
シャチに急かされ、一気にジョッキに残っていた酒を喉奥へと流し込むと、シャチが嬉しそうに口角を上げた。
「お!良い飲みっぷり!!やるじゃねぇか!よし、俺がおかわり注いでやる。」
「シャチ、あんまり飲ませ過ぎんなよ。」
早いペースで飲ませようとしてくるシャチをペンギンが止めようとした。
「良いじゃねぇか、今日くらい。ハートの海賊団の紅一点のちゃんと飲めるんだからぱぁっといかねぇと。」
「後でキャプテンにバラされても知らねぇからな。」
シャチの様子にペンギンが深い溜息を吐く。キャプテンという言葉を聞いてふとキョロキョロと彼の姿を探してみると、一人で呑んでいたところにベポが絡みに行っているようだった。
(後でローさんとも飲みたいなぁ…。)
そんな事を考えながらシャチに勧められるがままに一杯、また一杯と酒を飲み続け1時間が経過した。