第3章 ハートの海賊団
「大丈夫だよ。キャプテン女の子には優しいから。」
『違う!そういう問題じゃないよ!』
ベポは私がローを怖がっていると思っているが、違う。(実際少し怖いけど)寧ろベポは何故私が断るのか疑問に思っているようだった。
彼氏いない歴=年齢の私が男の人と同じ部屋で一夜過ごす事が問題だ。
(緊張し過ぎて、絶対眠れない。それにローさんも絶対2人より1人の方が寝れるよね。うん、邪魔しちゃいけない。)
『私、床でも全然寝れるから大丈「キャプテンも良いよって言ってたよ。」なんで。』
だけど、あの怖そうなローさんに直々に断りに行くのは大変申し訳ない気持ちに苛まれる。
ソファーか床にでも寝かせて貰えば良いかと思い、諦めて渋々頷く。
『分かった。じゃあ、家具が入るまではローさんのお部屋にお邪魔するよ。』
そういえば、私ほとんど手ぶらで出て来てしまったから、着替えも何もない。
あるものといえば、少しのおやつとお金と毒薬。
(どう考えても女の子の持ち物じゃ無い。)
『ねぇ、ベポくん。着替えとかってある?私も何も持たないで来てしまったから無くて。』
どうやらハートの海賊団のクルー達はお揃いのツナギを着ているようだった。一着余っていたら貸してもらおうと思っていた。
「それなら余ってるツナギがあるかも!取ってくるね!」
そう言って待つ事数分。一番小さいサイズと言われて持ってきて貰ったツナギを着たが、案の定ブカブカ。
(そりゃ、メンズ用だしブカブカだよね。)
着れないこともないが、手も足も裾が余ってズルズルと引き摺ってしまう。これでは何かあった時足手纏いどころじゃ無い。
ベポも同じ事を思ったようだ。
「キャプテンに次の島で買ってもらおうか。ペンギンが、次の島には明日には到着するって言ってたよ!」
『うん、そうしようかな。』
とりあえず、ツナギを借りる事は諦める事にした。
そういえば、ベポ以外のクルーにはまだちゃんと挨拶していない気がする。夕飯時にでも会えるかな?ベポの口からたまに聞こえるペンギンとかシャチとかはきっと他のクルーの名前だろう。個性的な名前だからすぐに覚えれそうだ。