第3章 ハートの海賊団
その後、ローは電伝虫を使って、部下の人たちに指示を出していた。
「……俺だ。ベポを案内に寄越せ。船はそのまま南へ直進とペンギンに伝えろ。近くに止まれそうな島があれば止まってくれ。」
暫くして、ノック音が聞こえると、船に入ったときに会ったシロクマ…ベポが部屋の中へと入って来た。
「ベポ。がウチのクルーになった。船内を案内してやってくれ。」
「アイアイ!キャプテン!が仲間になってくれて嬉しいぞ。」
『ありがとう、ベポくん。私も嬉しい。案内宜しくね。』
「アイアイ!よし、行くぞ!今日は大忙しだからな!」
何処かテンションの高いベポに手を引かれながら、船内探検へと出発した。
ベポに案内をしてもらいながら、部屋の場所を何とか覚えて行く。
「ここが食堂。俺たちはここで食べること多いけど、キャプテンは部屋で食べることが多いかな。あっちが俺らクルーの部屋とかがあって、シャワールームはこの部屋の奥なんだけど…は女1人だから、キャプテンにあとで相談しよう。」
『結構広いんだね。頑張って覚えるよ。それで、私の部屋はどこなの?』
辺りを見渡しながら、肝心な自室は何処か聞いてみる。
「俺たちの部屋の近くはダメだってキャプテン言ってたから、キャプテンの隣の部屋になるかな。」
『え!?ローさんの隣のお部屋なの?緊張する…』
「嫌ならキャプテンの部屋でも良いって言ってたよ。」
『お隣の部屋でお願いします。』
ベポの口ぶりだと、きっとまだ空室はあるんだろうけど、ローさんが何らかの理由で駄目っぽいから仕方がない。なるべく物音を立てずに生活しよう。流石に同室は私の胃が死んでしまうと思った。緊張で。
船長室の隣にある部屋へと到着すると、ベポから鍵を受け取り、部屋の扉を開ける。
しかし、飛び込んできた部屋の光景に思わず目を見開いた。
『何もない……。』
部屋の中には家具どころが寝具も何も無かった。
その途端ベポが申し訳なさそうに口を開く。
「実はこの部屋物置として使ってて急な話だったからまだ物を運び出しただけなんだ。だから、今日は申し訳ないけど、キャプテンのお部屋で寝てもらったりできる…かな?」
『ええーーーっ!!?』
私の叫び声が船内に響き渡った。