第3章 ハートの海賊団
漸くローがその場から離れると、椅子に音を立てて座り脚を組む。
「……で。お前はこれからどうする。」
『………街から出ていくつもりです。このまま家に帰ったらまたあの人達に追われちゃいますから…。それに、私のせいでこれ以上家族も街の人も危険に晒したくないんです…。』
そもそも帰るという選択肢は無かった。
(またあのドフラミンゴという人に見つかったら、ローさんに助けて貰った意味も無いし。これ以上街の人にも家族にも迷惑を掛けられない。)
ただの趣味だった事がこんなにも大事になるなんて…思いも寄らなかった。
町から出て行くといっても身寄りも何も無い私には絶望しかない。航海術も知らない私が海に出たところで漂流して直ぐに死んでしまうだろう。
どうしたらいいかと考え込んでいると頭の上からローの声が振ってきた。
「ならば良い提案がある。……俺の船に乗れ。そしてお前の毒薬作りの技術を全て俺の為だけに使え。」