第10章 研究【幸村】
「あ!赤也くん!!ちょっとだけいい?」
『あぁ!〇ちゃんじゃないっすか。どしたんすか?』
「テニス部の幸村いるじゃない?あの人ってどんな人なの?」
『えぇっ?!幸村部長っすか……。いやぁ俺の口からはちょっと…。な、なんでなんすか?』
「うーん。言いづらいんだけど研究?調査?かな(笑)」
『なんの調査か知らないっすけど部長の事は直接聞いた方がいいと思いますよ?』
「それができないから赤也くんに聞いてるんじゃない」
『いやだって変な事言ったら後が怖いっすもん。じゃ俺行きますから!妹ちゃんにもよろしくっすー!』
うーーん。みんな口割らないなぁ。
近所で小さい時から遊んでた赤也くんなら教えてくれると思ったんだけどなぁ。
次!次!
「ねぇ真田?ちょっと聞いていい?」(小声)
『授業中だぞ。後にしないか。』(小声)
「休み時間あんた忙しそうだから」(小声)
『ふむ。少しだけだぞ。なんだ?』(小声)
「ありがとーー。みんな教えてくれないからストレートに聞くんだけど、幸村って性欲あんの?」(小声)
『なっ!!!?貴様!!たるんどるぞ!!!!??』(特大大声)
「ちょっ!そんな大声だしちゃ!」
真田のせいで先生に一緒に怒られた。
もーーー。最悪。
怒られるしなんの情報も得られないし。
しかも真田のせいで反省文だし。
なにこれ。
もうやめようかなぁ。
うーーん。
とりあえず反省文書き終わったし一緒に書いてた真田は『お前のせいでなんで俺が』ってぶつぶつ言ってたくせにもうどっか行っちゃってる。
反省文どこに提出して行ったんだろ?
あ、教卓の上に置いてるや。
なんて書いてんだろ
“この度は授業中に私語を大声でしてしまい……”
へー。やっぱりちゃんと書いてるなぁー(笑)
『君はなんて書いたんだい?』
「えー。私は、すみません。をひたすら繰り返してるだけの文だよぉ(笑)」
『そうなんだ。なんで反省文書いたの?』
「授業中に真田と喋ってたら突然大声で怒鳴られたから…って……?うわっ!!!」
『フフっ。こんにちは。』
「ゆ、幸村…!」