第4章 平凡な【幸村】
先生だった。
「おぉーー!〇か。」
「まだ居たのか!ん?…あっ!!これ終わったんだな!本当にすまなかった。助かったよ!」
ありがとなー。早く帰れよー。と言いながら先生が帰って行った。
幸村かなぁ。なんて思ってた自分が恥ずかしい。
なんだか余計疲れちゃったけど早く帰ろ。
カバンをもって教室の扉を開けた時
ドンっ。
「痛っ。」
なんだ?と思い見たら………幸村だった。
「え?ごめん。どしたの?」
『……っ。ふぅ……。全部任せ切りにしてごめん。部活なるべく早く切り上げたんだけど間に合わなくて。』
『さっき先生とすれ違った時に〇がまだいるって聞いたから走ってきたんだ。』
言われなくてもわかるぐらい幸村は息を切らし薄ら汗をかいてた。
「いいよいいよ!私がやるって言ったんだから!」
『でもせっかく日直一緒だったんだし俺の仕事でもあるんだから。〇だけに押し付けるのは申し訳ないよ』
「ほんとにいいよ!もう遅いから帰ろ?」
『せめて家まで送らせてよ』
「そんな気にしなくていいのに。」
『俺がそうしたいんだ。いいよね?行こうか。』
拒否権も無さそうだし、そんな幸せな事を断る理由もないので、わかった。と言い2人で学校を出てゆっくり歩いて帰った。
『そういえば、〇とは1年の時からずっとクラス一緒だよね?なかなか珍しい事だよね』
「あ、知ってたんだ。そんな事気にしてもないと思ってたよ」
『どうしてだい?ずっと知ってたさ。1年の頃から日誌の字が綺麗な子がいるな。って思ってたんだ。』
『それが〇だったよ』
「えー!嬉しいな…。ありがとう」
そんな風に思ってて貰えただけで幸せだ……!