第2章 仕込み【幸村】
『いらっしゃい。俺の部屋上がって待ってて。』
「うん!ありがとう。」
優しい幸村にニヤニヤしながら1人で部屋で待たせてもらった。
広い部屋だなぁ。この部屋だけでも住めそう。
なんて考えていたら
『お待たせ。』
「あぁ!ありがとう。これが言ってたやつ?」
『そうだよ。温かいうちに飲んでみて。』
優しい笑顔が見守る中ゆっくりとハーブティーを頂いた。
「初めて飲んだけど飲みやすくて美味しいねっ」
『そうなんだ!喜んでもらえたなら手をかけて育てて良かったよ』
その言葉の後にフッと意識が飛んだ。
目覚めたらベッドに寝かされていた。
「えっ?えっ?なんで?」
『起きたかい?』
体感は一瞬だけだったけどどれくらい寝てた?
てゆか何で寝てたの?
幸村の顔を見るとさっきまでの優しい雰囲気はない。
『〇さ。俺の事怖がってるよね?どうして?』
「っ!!!」
怖くて声が出ない。
『俺って人気者なのに〇だけは違うよね。
あんまりそういう人いないから余計気になっちゃった。』
どういう意味なんだろう。
『俺さ、俺の事嫌いな人を好きにさせたいタイプなんだよね。』
『追いかけたいタイプってやつかな?ハハ。ちょっと違う?』
目が笑ってないよ。
こわいこわいこわい。
「あ、私用事あったんだ。せっかくお邪魔させてもらったのに寝ちゃってごめんね!ありがとっ……」
無理やり帰ろうとして立ち上がった時に
腕を引っ張られベッドに戻された。
戻されたというより投げられたの方が近いかもしれない。