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テニプリ短編集【幸村精市】

第2章 仕込み【幸村】


「ごめんねー!お待たせ。」

『大丈夫だよ。行こうか。』


一緒に歩き出したは良いが話す事はない。
はっきり言って怯えてる。
この人の逆鱗に触れないような会話を1人で永遠と考えてた。

先に口を開いたのは幸村だった。


『ところでさ、なんで突然呼び捨てじゃなくなったの?』

「え?」

気にしてたの?

『最初は呼び捨てだったのに突然君付けになったよね?
俺なにかしたかな?』


「いやいやいやっ。気にしてたならごめんね!幸村君は何もしてないよ!私が勝手に……っは。」
魔王なイメージで怖くなった。なんて言えない。


言えない。どうしよぉ。


『……勝手に…何?』

「ほんとなんでもないのー(笑)」

ヘラヘラして誤魔化してみたけど幸村の顔が真剣で誤魔化せれてない。
やばいやばいやばい。
心臓がもたない。



『なんだか距離を置かれてるみたいで傷つくな』
突然甘えた顔でそんな事を言ってきた。


意外な顔にまた違う意味でびっくり。
そんな綺麗な顔で言われると次は違う意味で心臓持たないよっ!


「そんなつもりじゃなかったの。ごめんね?距離置いてなんかないよ!もっと仲良くしたいぐらい!」

嘘である。
いや、さっきの甘い顔の幸村だったなら本音なのかもしれない。

『嬉しいよ!俺も〇とは仲良くしたいんだ。良かったら今から家に来ないかい?ぜひ飲んで欲しいハーブティーがあるんだ。』

「ハーブティー?」

『ガーデニングが趣味でね。上手に育ったハーブで昨日作ってみたのが美味しくて。良かったら〇に味確かめて欲しい。』



私でいいのか?と思う反面、ガーデニングが趣味とは!
など違うことも考えてたら返事をしてないまま幸村の家に連れていかれた。


移動中もガーデニングの話しをしてたけど耳にはあまり入ってこず1人で考え込んでいた。


魔王なのは部活中だけなのかもしれない。
それ以外はずっと優しい幸村なのかもしれない。
それなら顔面どタイプ&優しい。なんて好きになっちゃうじゃん。


とよく分からないことばかり考えたいた。


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