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鬼灯様の許嫁【鬼灯の冷徹】

第2章 道場破り


その途端、パンッと乾いた音が響き渡った。鬼灯が桃太郎の頬を打ったのだ。

「貴方、せっかく英雄として生きたのに、死後こんなことしてて…情けなくないですか?」

唖然とした様子の桃太郎に椿の腕からシロが抜け出すとちょこんと彼の前に座り込むと喋り始めた。

「もうやめようよ…。プライド守るのに必死だったんでしょ?」
「桃太郎…。俺も色々言ったけど本当はアンタが好きだから一緒にいるんだ。」
「うん。」
「でもな。過去の栄光にさァ…いつまでも縋ってちゃダメなんだよ…。桃太郎だから鬼に固執するなんて間違ってる。」

「お………お前達……」

御三方の言葉に桃太郎は本当に大切なことに気づき始めたのか涙を流し始めていた。

『良いお友達が桃太郎さんには居るんですね。私、あの子達を飼うのは諦めます。』
「そうして下さい。これ以上貴方と一緒にいられる時間が少なくなるのは耐えられません。」
『もしかして…嫉妬してました?』
「察して下さい。」
鬼灯の言葉にくすくすと笑うと鬼灯は顔を背けてしまった。


「あ、そうだ。あの、よければ犬猿雉さんは不喜所地獄へ就職しませんか?最初は契約。3ヶ月後正社で。」
「いいんですか?!」
「コラーーー!」
「貴方にも是非転職していただきたい就職口があります。」
「え」

『流石鬼灯様。ちゃっかりしてるなぁ。』

この土壇場にも関わらず鬼灯はちゃっかり雇用問題を解決していた。椿は鬼灯の頭の良さに感心しながら、またシロ達をもふもふし始めた。
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