第2章 使命
「 へェ、ガチで金持ちっぽい服着てンじゃねェか 」
「 金持ちっぽい服ってあーゆーのを言うンだなァ、初めてまともに見た 」
「 金ならよっぽど俺らの方があると思うけどなァ? 」
「 正しい稼ぎ方だったら向こうじゃねェ? ま、正しいとか今更関係ねェか 」
光沢のある黒のランドセルを揺らし、一人高級住宅街に入っていくのを見送り後をつける。
既に安全装置を引いてある銃をかちゃりと鳴らしながら、目配せをした。
「 なァ、結局どっちが殺る? 俺立候補するワ 」
「 やだ、絶対ェうち。 久し振りにスクラップの仕事入ったンだから譲れや 」
「 一発で仕留められンのかァ〜? 」
「 うちを誰のモンだと思ってやがる、テメェのオンナだぞ?? 」
「 ……今のグッとキた。 マジで今日は抱き潰すけどそれでも良いなら♡♡ 」
「 ブッ殺す 」
「 そう言ってられンのも今の内だからなァ?♡♡ 」
顔を顰めながらも照準を合わせ、引き金に指を掛けた。