第1章 开始
「 なァ夏、さっきのアレ、クソ灰谷の兄の方の部下らしいぜ? 珍しいよなァ 」
「 めんどくせェな、単純に蘭って言やァ良いじゃねェか。
まァ珍しいのはホントだよなァ、蘭怖ェからユダは滅多に出ねェのに 」
「 へェ、流石拷問と薬のスペシャリストの夏サン♡♡ ユダ事情にお詳しい様で♡♡ 」
「 誰が拷問と薬のスペシャリストだテメェもスクラップにしてやろうか??? 」
「 上等だいや待て痛い痛い痛いソコはヤメロお願いします!!!!!!!!!!!! 」
「 るせェ黙れ 」
とある組織の元に生まれたうちは、ガキの頃から色々教え込まれた。
銃、ナイフ、刀、警棒、弓矢、近接術などの攻撃手段は勿論、毒やら薬やらの調合、ピッキング、縛られたときの対処法、人体の急所、ハッキングの技術、変装術などなど。
殺人兵器としてのポテンシャルを磨き、人を殺し、人を騙し、人を討ってきた。
感情もココロも、愛なんてモノも知らなかったうちは、素直に従ってちゃあンと覚えた。
生まれる前から殺人兵器であることが決まっている以上、自分に人生の選択肢はなかったし欲しいとも思わなかった。
中には泣いて喚いて抵抗する輩も居たが、冷めた目で見つめるだけでありもしない心に響くには至らなかった。