第2章 使命
「 ココ、カルボナーラいけっか? 」
「 は?? 俺は夏を食うっつっただろーが 」
「 リゾットの方がいいか? 」
「 夏がいい夏しか受け付けてねぇ 」
「 よしカルボナーラ風リゾットで決定な 」
冷蔵庫にあった卵やらベーコンやらチーズやら牛乳やらを引っ掴み、調味料を入れてからホワイトソースと黒胡椒とコンソメ顆粒、粉チーズを取り出す。
ご飯炊き、フライパンへオリーブオイルを垂らしてベーコンを炒める。
黒胡椒で味を付けながら、隣で鍋に水と牛乳とコンソメ顆粒を火にかける。
沸騰する直前に炊けたご飯をブチ込み、しばらくしたらベーコンとチーズを投入。
いい感じになってきたら火を止めて溶き卵を入れて更に混ぜ、余熱でどうにかして、と。
細っせェのに大食いのココのために、軽く5人前以上を準備した。
我ながらめちゃくちゃ美味しそうなカルボナーラリゾットだうちも食べてェどうしよう。
「 ……夏、コレカルボナーラ? クソ良い匂いする 」
「 話を聞いとけ馬鹿ココ。 ………いや、お疲れさま。 カルボナーラリゾットだけどなァ 」
「 そう言ってくれんのマジ夏ぐらいなんだよなありがとう美味そうすき食う食い尽くす 」
「 おー、いっぱいあっから足りなかったらおかわりしろよ? じゃんじゃん食え 」
いただきます!!! と手を勢いよく合わせ、ココはスプーンで掬って口に運んだ。
……ハズだったが、一口目を入れた瞬間、目を見開き呆然として固まった。
「 こ、ココ? 悪ィ、不味かったか!? 待ってろ、直ぐ作りなお 」
「 ウッッッッッメェ………………… 」
「 ………、は? 」
「 ヤバいクソ美味い何コレ、は????? ちょっと待て美味すぎんだろ 」
「 いやあの、ココ?? 」
「 こんな美味いの作れる夏天才すぎねぇ??? クソヤク中には勿体ねぇわ。 あ゛〜〜〜、ヤベェ美味すぎてマジで溶けそうアイツらに自慢しよう夏こっち寄って 」
「 え、え、……え??? 」
何故か机の上の料理とココとうちの3ショットを撮り、その写真が拡散される。
不味くなかったのは良かったけど、コレで良かったのかは梵天七不思議に認定だ。