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蒼穹、星空、雲の上(リーバル夢)

第3章 はるか上空での欲望と理性の戦い


吹っ切れたように笑う彼に、マヤは侮蔑にも似た眼差しを向ける。

「貴方は、変わってしまった…!どうして!…っ、この厄災に、怨念に負けてしまったの…!?」

リーバルの目の色が変わる。

「…よく喋る口だな」

そういうや否や嘴を開けると、マヤの小さな口を塞ぐように強引に舌をねじ込んだ。
思わぬ口付けに、マヤは目を見開き彼の胸当てを押したが、押し寄せる快感と力の差にそれらはほぼ無抵抗に等しかった。

それでも尚、リーバルはやめない。
彼女の抵抗を弄ぶように、角度を変えて何度も何度も蹂躙した。
一頻り遊んでやったとこで、リーバルは満足したので離してやった。

お互いの口に、名残惜しそうな銀の糸が引く。
ただでさえ酸欠で頭が回らない中、リーバルに散々弄ばれたマヤは、未だ光の宿る強い眼差しで彼を見据えた。
だが、いろいろと限界が近づいてきていることがわかると、リーバルは自身の肩に置かれた彼女の手首を掴んだ。

そうしたことで一気に気持ちが高揚したリーバルの体に刻まれた傷口から、吹き出すように怨念が現れ、その絡みつくような感覚に息を震わせた。

その怨念は、既に胸の辺りにまで上ってきたそれに気を取られているマヤに追い打ちをかけるように掴まれた手首にも絡みついた。

いよいよ無事では済まされない、とうとう死を連想したマヤは、メドーを発見した時から覚悟はしていたはずなのに、このじわじわと迫ってくる恐怖に情けない声を上げていた。

さっきまで気丈に振舞っていた凛としたマヤはそこにはもういなくて、代わりにいるのは目に涙を浮かべ、開けた口から艶のある呼吸を繰り返す、“ ただのシーカー族の女性”。

どう?気持ちよくなってきた?というリーバルの言葉に、ことんと首を縦に振ったマヤを、衝動的にきつく抱きしめた。

その苦しさでさえもマヤにとっては快楽でしかなく、上擦った声を上げ、遂に陥落した。

「……ごめんなさい。姫様、リンク、インパ、ロベリー、プルア…私、ダメになっちゃった…」

弱々しく自身の肩口で懺悔するマヤの背中を翼で優しく撫でると、リーバルは空を仰ぎ誰に言うわけでもなく呟いた。

「…あぁやっと、“ 一つ”になれた」

虚ろに開かれたマヤの瞳は黄金色の怨念に染っていた。
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