第4章 友達って良いよね
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縁壱は屋敷に戻り正座で目を閉じ、まゆの帰りを待っていた。まゆが日柱邸に来てからはとても賑やかで華がある。しかし今はとても静かだった
縁壱「寂しいと感じたのはいつ以来だろうか…早く会いたい…」
誰にも聞かれぬ独り言を呟く。それはまゆが任務で家を空けた日から、ずっと感じている感情だった
それから数刻後の明け方、玄関先からまゆの気配と知らない気配を感じて玄関を開けた。そこには美丈夫な男におぶわれた上機嫌なまゆが居たのだった
まゆ「縁壱お兄様ぁーただぁいまぁ!友達とお酒を沢山飲んらのぉー」
縁壱「おかえり。送らせてしまい申し訳ない」
信長「いや、任務後ワシが連れ出したのだ。あなたがまゆの師範かな?ワシは友人の織田信長と申す、以後お見知りおきを」
まゆは相変わらず「のみすぎたのらぁーにゃはーん♪」と信長の背中でキャッキャしている
縁壱「私はまゆの師であり幼馴染の継国縁壱と申す者。私の継子は少々酒癖が悪い、迷惑をかけたな」
まゆ「むぅ、まゆは良い子にしてたもーん!多分…」
信長「いや、迷惑だなどとんでもない。愛い女子と酒を飲むのは男として大歓迎ですからな」
信長は自分の言葉により、縁壱が顔を顰めたのを見逃さなかったが敢えて気にせず続けた。まゆは月を見て「アハハハ!丸いっwww」と笑っている。とても危ない子だ
信長「継国殿、ワシはまゆが異型の者と戦っている所を見てのぅ、真に強い剣士なのを確信した。しかし、話によれば継国殿はもっと強く、鬼狩りの柱でも一等強いとか…」
縁壱「私はそんな大した者ではない…」
信長はまゆが人ならざる人食い鬼を苦戦しつつも倒したのを見て、自分ではそうもいくまいと思う。そのまゆが一等強いと言うのだ。しかし、この男は何故そこ迄の謙遜するのか信長には分からない
信長「ご謙遜を…。時に継国殿、ワシは遊里での客ではあるが今は友人故、また連れ出す事も有ろうと思うがご容赦願いたい」
縁壱「…客?」
胸の奥にジクジクと痛みが広がるのを感じ、縁壱は眉を顰めた
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