第4章 友達って良いよね
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その夜もまゆと織田は個室で酒盛りをしていた。織田がまゆを気に入り連日通っているのである。もっとも興味があるのは女としてではなく、剣士としてであるが…
織田「月詠。おみゃーさん今日は様子がおかしいがね。何かあったんか?」
まゆ「主様…わっちを買いたいとおっしゃる殿方がいんして、明日水揚げされてしまいんす」
遊里ならいつかは皆水揚げされるだろうが、織田は妙に感が鋭く、まゆに関しては遊里へ来た目的は恐らく鬼を狩る事だろうと見ている
織田「うーむ…よっしゃ!明日ワシが買うたら解決だがね」
まゆ「主様…(解決したかな!?解決してないと思うのは気のせいですか!?)」
織田「安心しやあ。こういう場所ではワシは何もせんで。ただし、ここを出たら花魁言葉は無し」
まゆ「はい、嬉しいでありんすぇ。 ありがとうございんす」
不安が顔に出ていたのか、織田はまゆに自分は安全牌だとアピールしていた
と、その時
まゆ「あっ!!主様申し訳ございません、私は行かねば!!」
織田「うおっ!?…まぁ、緊急事態だでな…うん、そうだ…」
鬼の気配を感じたまゆは着物を脱ぎ、押入れから取り出した袴と羽織を着て日輪刀を腰に据えた。男性の前で生着替えをしてしまったが、この場合仕方がないだろう
まゆ「では!!」
織田「月詠っ!丁度良いがね、月詠の腕前を見せてもらおかの」
まゆ「わかりました!」
まゆと織田は走り出した。向かった先には悲鳴が上がっている。まだ水柱は到着していない様子。流石のまゆにも緊張が走る
まゆ「チッ、私の存在に気が付いた故の挑発か…主様、速度上げますから東に向かってください」
まゆは走る速度を上げる。広いといっても店の中、直ぐに到着すると、男の鬼が禿の女の子に食らいつく瞬間だった
禿「か、冠城様、いやぁぁぁぁぁぁぁ」
まゆ「日の呼吸・日暈の龍 頭舞い!!」
ザシュッ
冠城「貴様…やはり鬼狩りだったのか。邪魔しやがってチクショー」
まゆ「とっとと灰になれ愚か者めが」
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