第3章 運命の歯車
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天道「当然だ」
まゆ「だって!天道様が居るから大丈夫ですよ♪いざとなったら客を殴って寝かし付けますから」
金次「継国、天道がそこ迄言うとるんや。信じてやったらどうや?」
縁壱「しかし…………わかった。水揚げされそうになったら遊里を出ろ、出来るな?」
縁壱は暫く考えると遊里行きを許可した。天道ではなくまゆを信じたのだろう
まゆ「はい!精一杯頑張ります♪」
縁壱「天道殿、万が一があれば私は天道殿を許さぬ」
縁壱はまゆを抱きしる腕を強め、眼光鋭く天道を見据えた
天道「あぁ、その時は私を好きにしろ」
隼人「俺もお前を処す」
遊里任務前日、まゆは縁壱と共に床につき直ぐに寝てしまったが、縁壱は不安で眠れずにいた
縁壱「(お前はいつも私の心を掻き乱す…)」
正直言えばまゆが他の男にもたれ掛かったり、酌をするのさえも嫌なのだ
縁壱「過去にお前を抱いた男が居るのを知っただけでも血が煮える思いなのに…過去ですら奪ってしまいたいとすら思うのだ…」
自分の腕の中でぐっすり眠っているまゆに話しかけるように呟く
縁壱「遊里で着飾ってしまったら、欲に塗れた男が放って置かぬだろうな…今すぐに、お前を抱いて私の女にしてしまいたい」
まゆ「Zᴢᴢ…」
縁壱「(私が任務に同行出来れば良いのだが…)」
縁壱は明日から長期(二週間程度と言われている)で遠方任務がある。縁壱ならばもっと早く終わらせられるだろうが、必ずしもまゆの危機に駆けつけられるとは限らないのだ
縁壱「(まゆ、私はお前が欲しい…お前としたい…)」
まゆを想う気持ちと男としての欲望が、いつかまゆを壊してしまいそうで怖い、とさえ思う
縁壱「(あぁまゆ、お前に口付けをしたい…触れたい…上書きしてやりたい…)」
抑えきれぬ欲望で暴れだしそうになり、縁壱は別の部屋で吐き出してからまゆが寝ている部屋に戻った。縁壱は眠るまゆの耳元で「愛してる」と呟き、再びまゆを抱き締めて眠りについた
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