第3章 運命の歯車
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朔也「ありがとう、こちらこそ頼むね。ふふっ、それにしてもまゆは縁壱に凄く大事にされてるんだね」
まゆ「えっ…?」
縁壱「お館様、それは…」
お館様様の一言で戸惑う二人、お館様は楽しそうにクスクスと笑っている
朔也「私はね、まゆの事を報告受けた当初は直ぐに入隊させたいと言ったんだけども、縁壱が頑なにもっと育てたいと言って聞かなくてね…。何時も物静かな縁壱が声を大きくして言ったから驚いたよ。まゆがよっぽど大切なんだろうね」
縁壱「お館様、秘密だと申し上げたはずですが…」
まゆ「縁壱お兄様ぁ〜」
まゆは縁壱に大切にされている事に嬉しくなり、ニコニコとしている。あははははっ!と、今夜も鬼を瞬殺してくれる事でしょう
朔也「くすっ、縁壱があまりにも譲らなかったから少々意地悪してしまったんだ。ごめんね」
縁壱「っ…申し訳ありませんでした…」
まゆ「縁壱お兄様って大人の男性なのに何でそんなに可愛いのですか…?」
縁壱は『可愛いのはお前だ』と思ったがこの場で言うわけにはいかず下を向いた。他愛のない会話をしているうちに他の柱達も集まりだしたようで、外から声が聞こえてくる
縁壱「お館様、柱合会議が始まります故、まゆが待機する場所をお借りしたいのですが」
柱合会議はお館様と柱の会議。入隊もしていないまゆが居て良いわけがない。何処かで待つしかないのだ
お館様「ん?まゆのお披露目も一緒にやってしまおと思うんだ。だから居て良いよ」
縁壱「御意に。まゆ、これも経験だと思って大人しく聞いておれ。出来るな?」
まゆ「はい、お館様ありがとうございます。頑張ります!」
この場に残れる事になったまゆは物凄く嬉しそうである。その場に大好きなお兄ちゃんが二人も居るとなれば無理もない
朔也「紹介するね。隼人の妹で縁壱の継子になったまゆだよ」
まゆ「御影まゆです。皆様どうぞよろしくお願い致します」
まゆのお披露目と柱合会議が終わり、辺りは夕日に照らされている。任務が無い者は何処かで飲もうという話になる
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