第3章 運命の歯車
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縁壱「ゆっくり慣れたらいい。まだ幾らか時間はある」
まゆ「すみません、本当に何から何まで…」
まゆの目が次第に光に慣れ、二人は会議が行われる部屋に向かった。先にお館様にまゆを紹介する為に少し早めに来たのだ
縁壱「先に御館様に面通しをする故こちらに。お館様、日柱・継国縁壱でございます。継子を連れて参りました」
朔也「あぁ、縁壱かい。入っておいで」
お館様と呼ばれた男の名は『産屋敷朔也』という産屋敷家の現当主であり、鬼殺隊の頭である
朔也は縁壱とまゆを部屋に招き入れた
縁壱「失礼仕ります」
まゆ「失礼致します」
朔也「二人ともよく来たね」
縁壱とまゆは朔也の前に正座で座わる。まゆは緊張で微かに震えてる
朔也「君が隼人の妹のまゆだね、話は縁壱から聞いているよ」
まゆ「はい、御影まゆと申しましゅ…ますっ」
縁壱「お館様は優しいお方、そこまで緊張せずとも大丈夫だ」
緊張で顔が強張り、挨拶も噛んでしまった。まゆの頭の中は随分混乱しているようだ
まゆ「しかし、鬼殺隊の一番偉い人が目の前に…」
縁壱「まゆ…大丈夫だから。なっ?」
縁壱はまゆの頭を撫でて宥め、背筋を直す
お館様「まゆ、取って食ったりしないから落ち着いて。そんな顔してたら折角の可愛い顔が台無しだよ?」
まゆ「は、はい!」
お館様「さて、本題に入ろう。まゆは鬼を隼人の任務や縁壱の任務、藤襲山に行く途中で多く狩っている。そして日の呼吸と影の呼吸を使えると…。鴉や隼人からの昨日の報告によると、もう直ぐ30体に届くそうだね。まゆは非常に優秀だ、もう少し先にはなるけど鬼殺隊に力を貸してくれるかな?」
まゆ「はい!皆様のご期待にお応えできますよう、日々精進して参ります。これからよろしくお願い致します」
お館様の何とも言えない優しい声でまゆは幾分緊張が解けたらしく、何時もの調子に戻りつつあった
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