第34章 鬼の女の子と耳飾りの少年
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まゆ「私は人を食えない制約を掛けただけで、人食い衝動や空腹感を抑える術なんて掛けてないわ。そんな余裕も魔力も無かったもの」
余裕なんかあるわけないじゃない。あの身体は魔力を使った事がないわ使い辛いわって大変だったのよ!
縁壱「では鬼としての本能が抑えられていたのは何故だ?」
まゆ「考えられるのは巌勝さんの意志の強さと術の拘束力の強さの条件が揃った、ってとこでしょうね」
左近次「禰豆子に掛けたのは拘束力が弱い故、鬼の本能は抑えられないという事だな」
巌勝「禰豆子の意志の強さ次第か…」
禰豆子ちゃんは人を食らおうとしても食らえない。もがき苦しむ事になるかもしれない…
まゆ「禰豆子ちゃんには辛い制約を掛けてしまったけど、弱い加護でも少しは役に立つ筈よ」
禰豆子ちゃん、炭治郎…ごめんね…
左近次「しかし、人を食らいたくなる衝動や空腹感はあるのに食らえないとは、矛盾している気がするがどうなんだ」
巌勝「私には無かった故わからぬ。まゆ、説明をしてくれるか?」
説明の仕様が無いわね……………
こんな時に一ノ瀬が居てくれたら 『 超 便 利 』 なんだけどねー。居ないのよね〜←普段からこんな事ばかり本人を目の前に愚痴ってるから怒られる(笑)
まゆ「何て言ったら良いかワカンネ」
縁壱「憶測ですが、欲に負け食らいつく前に何かあるのかと」
巌勝「まゆ、わかる範囲で良いから話してくれないか?」
あーね。人食い鬼には巌勝さんが初めての制約だったけど、下級悪魔や精霊には掛けたことはある。種族が違うから何とも言えないのよね
まゆ「ん〜悪魔や邪精霊に掛けた事はあるけど…」
左近次「その時の話で良いから話せ。参考程度で良いから」
上手く伝わるかしら…
まゆ「人を食らおうとしても、直前で拒絶反応が起こって頭が痛くなったり、身体が軋むように痛くなったりするみたいよ。全身が焼け付いて動けないって言ってた者も居たわね…」
そんな事が禰豆子ちゃんに起こるかもしれない
巌勝「何とかしてやりたいが…」
もう少し頑張って加護を強くする事しか出来ない。半魔で妊娠中だから何もかもが半端なのよ…
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