第34章 鬼の女の子と耳飾りの少年
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まゆ「もう少しよ…禰豆子ちゃんも頑張って!汝に我の加護を与える!!」
巌勝「まゆっ、加護までは聞いてないぞ!!」
一瞬、禰豆子を中心に混沌が部屋を包み込む。加護は禰豆子ちゃんに幸せになってほしいからなんて勝手な理由だけどね。人を食ってないならとことん貫いて、人に戻したいのよっ
まゆ「大丈夫、上手く行ったわ。保証は出来ないけど今の時点での最善よ…あーもう無理っ」
そう言って倒れ込んだ私を巌勝さんが優しく受け止めてくれる。ありがとう…
左近次「無理をさせてしまって済まなんだ。対価は払おう」
まゆ「対価って何よ。要らないわよ馬鹿!」
縁壱「鱗滝殿、まゆが独断でやったこと故お気になさらず」
縁壱さんが言うも左近次は渋りショボンしている。辛気臭いったらありゃしないわ!
まゆ「じゃぁ切腹。禰豆子ちゃんが人食ったらね!わかったら御館様に手紙書きな!」
左近次「元より禰豆子が人を食ったら切腹するつもりだった…」
まゆ「馬鹿ねぇ。そんな事させないわよ!彼の世でよく切腹した侍の話聞くけど洒落にならない位に超痛いってよ」
左近次は正座した脚に置いた拳をグッと握りしめる。なんて言ったら良いのかしらね〜
巌勝「左近次殿の心意気を分かっているからこそ、まゆは無茶をしたのだろう。左近次殿の知るまゆが、そういう奴だからこそ信じて屋敷に置いていたのではないのか?」
左近次「うむ…お館様に手紙を書こう」
まゆ「私と巌勝さん、縁壱さんの名前も連ねておきなさいな。まっ、切腹しても私達は死なない。お館様と義勇以外は知らないけどね(笑)」
縁壱「虚仮威し程度にはなるだろうな」
お面からハミ出て見える涙。ほーんとに馬鹿で不器用なんだから!一人で抱えてんじゃないわよ
左近次「人生捨てたもんじゃないの!お前達に出逢えて良かった…」
まゆ「ほらほら、気を取り直して!お兄さんに会いに行きまっしょい♪」
縁壱「そんなまゆが好きだ…」
いやん♡私もよっ
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