第33章 悪阻と過保護なパパ達
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子供達が手を洗って席に着くと、理壱が先程の質問を再度してきたので巌勝さんが照れ臭そうに答えた
巌勝「どっ、どっちもだ。名前は美智乃と智勝という…」
子供達は目を輝かせて「早く抱っこしたーい」「ミルク飲ませたいなぁ」等と口々に言っている。縁壱さんも漸く復活し、その光景を眺めていた。そこでまだ泣かないでしょうね?やめてよね、ツッコミさんいないから(笑)
巌勝「まゆは何が食べられるのだ?何か食べねば腹の子が育たぬぞ。それにまゆも腹が減るだろう。母体が弱ってはいけない」
まゆ「今はそんなに栄養いらないから大丈夫。中々上手いことできてるのよ?私は半魔だし弱る事はないわ!」
巌勝さんは「なら良いが…」と眉毛を下げた。心配してくれるのは嬉しいけど今でこれじゃ産まれたらどうなっちゃうのかなぁ…なんてね
槇寿郎「雅勝、理壱、樽で持ってくるのは重かっただろ。いつも悪いな(汗)」
雅勝「いえ、お気になさらず。母上の父上なら私達に祖父も同然ですから当然です」
理壱「それに槇寿郎殿のご先祖様である透寿郎殿は、私達の師範だったんです。大変お世話になりましたから、これくらいはさせてください!」
「なんて出来た子達なんだ…縁壱の育て方が良かったのだな…」なんて言って泣き始めた。今度は父上かーい!皆で感動屋さん大会でもしてるのかしら…
まゆ「私も一応育てたけど?」
陽縁「お母さん、ドンマイ!お母さんも頑張ったの知ってるよ」
茄子「仕方ないと思うぜ!陽縁ママ立場上忙しーかんなぁ〜」
ニコニコと私を慰めてくれる娘と将来の息子。ありがとうね(泣)
まゆ「うっ…あんた達だけよぉ〜」
私鼻水垂らして大号泣。慌てる巌勝さんと縁壱さん。ついでに父上落ち着いて!
巌勝「まゆっ」
槇寿郎「子供に何かあったのか!?医者をっ、医者を呼べっ」
縁壱「雅勝、白澤様を!あぁ神よ…妻と子をお助けください…」
まゆ「違うわよっ。縁壱さん、それ本来は私が言われる側だから。神じゃないけど」
雅勝と理壱は「父様どころか父上まで…」と引いているようだ。そりゃそうか、初めてのことじゃあるまいし当然よねー
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