第33章 悪阻と過保護なパパ達
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巌勝「まゆは一体如何したというのだっ」
まゆ「陽縁と茄子君の優しさに感動していただけよ。大袈裟ね」
美月「お父さんもパパも慌てすぎ。槇寿郎もね!」
巌勝さんは美月の「パパ」の一言で落ち着きを取り戻したらしく、「そうだ、パパだからシッカリせねば…」と、天を仰いでいる。あっ、ある意味冷静じゃないやつだったわ…
槇寿郎「何も無いなら良いが、何かあったら直ぐに言えよ?病気ではないからこそ我々は何も出来ないのだからな」
理壱「母上は大丈夫ですから。槇寿郎殿、お注ぎ致しますね」
陽縁「お兄ちゃん私が注ぐよぉ。槇寿郎お父さん、お猪口持って!」
その後、父上は陽縁と理壱のお酌でグイグイと飲んでいる。「子供達のお酌だと数倍美味しく感じるなぁ」なんて上機嫌だったわ(笑)
理壱「パパ強すぎですよぉ」
雅勝「手加減してください!」
巌勝「双六に手加減も何も無いと思うのだが…」
陽縁「独り勝ちじゃん!パパ嫌い!」
巌勝「パパ嫌い…………………うっ……………」
あっ、倒れた
まゆ「こらこら、巌勝さんが倒れちゃったじゃないの」
陽縁「ごめんなさいっパパ大好きだから起きてー」
巌勝「よし、続きをしよう」
縁壱「流石兄上です。復活がお早い」
夕餉を食べ終えてから皆は双六で遊んでいる。眺めてるだけでも楽しい♪四百年前はこんな日が来るなんて思わなかったなぁ…
鷹男「カァー!」
鷹男さんは本日二度目の訪問だった。ってか一度目は何だったのか謎過ぎるわ
縁壱「どうかしたのか?」
鷹男「勘三郎ノ爺サンヲ連レテキタゼェー!」
鷹男さんの後からヨロヨロとしながら飛んで来たのは義勇の鎹鴉の勘三郎だった。義勇に何かあったのかと心配になった。皆の顔を見回すと、それぞれ心配している様子だった。
先日W水柱に昇格した義勇と錆兎はまともに休みを取らず、必死に任務をこなしているのを皆知っている。その中で無理をし過ぎている事も…
勘三郎「カァ〜義勇カラ手紙ジャー。ハテ誰ニダッタカノォ…」
鷹男「トリアエズ嬢チャンに渡セバ良イジャネーノカァ?」
勘三郎「ソレモソウジャ」
巌勝「冨岡に何もないなら良い。手紙を渡してくれるか?私が読もう」
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