第32章 旦那の○○
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まゆ「ごめんなさい…こんな…私………」
自然と溢れる涙。泣きたくないのに…私が悪いのは分かってるのよ。だけど…だけど、お願いだから嫌いにならないで!!
縁壱「何故にまゆが謝る。不安になってしまったのか?」
巌勝「泣く必要など良かろうに…」
二人が優しから胸が痛いの。きっと時透兄弟を引き取るって言ったら言ったで泣いちゃうのよ。自分勝手な自分が大ッキライ
一ノ瀬「泣き虫にも程がある。お前は曲りなりにも王だろうに。年長者ともあろう者が聞いて呆れる」
縁壱「言い過ぎではなかろうか」
まゆ「……………」
止められないアノ日の嫉妬と吐き気がするような記憶のループ。永い時を生きても感情の制御の一つも出来ないのは何でなの?
耀哉「まゆは一体何に対して謝っているんだい?」
まゆ「心の器が小さ過ぎるから!!」
一ノ瀬「今に始まった事ではなかろう。何なら私が人間だった時から知ってるが?」
そんなに昔から知ってくださっててどうもありがとうございます!!一ノ瀬は私を煽るのが上手いわよね。少し気分が上がって来たわ
まゆ「分かってんじゃないの。ならば、この場で宣言するわ!産むっ。オケ?」
一ノ瀬「主語がなさ過ぎて分かるかっ」
ドカッ
一ノ瀬の蹴りが私の脳天にクリーンヒットした。踵落としなんて何処で覚えたのよ。痛いなぁ〜もぉ
縁壱「まゆ!一ノ瀬殿、女子に手を挙げるのはあまり感心しませぬ」
巌勝「今のはやり過ぎですぞ」
まゆ「巌勝さん、縁壱さんありがとう。一ノ瀬よ、千年仕えておいて分からないとか無いわ!」
耀哉「何かが壊れたのかな?」
へへっ、私の語彙力なめんなよ!本当に無いんだからな。言葉が下手くそにも程があるんだよーだwww
一ノ瀬「分かるぞ、私はな。どうせ『巌勝殿の子供を産んだら時透兄弟の存在を受け入れられる気がする』だろ?」
まゆ「……………………流石過ぎるんですけど」
縁壱「千年仕えたのは伊達では無いと言う事か…」
何故バレたし。この男怖っ!!
巌勝さんは下を向いて考えこんでいる。流石にマズかったかしら…。駄目なら駄目で構わないわ。ただの我侭だもの
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