第32章 旦那の○○
・
巌勝「まゆ……」
まゆ「分かってる。子供達に罪は無いのよ。大人の事情だったんだもの」
縁壱「声色が怒っておるではないか…複雑なのは分かるが今更だろう?」
あぁ嫌だ…こんな自分が嫌になる。嫌だ嫌だ嫌だ!!私は『鎮』と文珠に篭めて自分に使った。幼い子達にこんな情けない顔見せられないもの
まゆ「気にしないで大丈夫よ。ところで耀哉、この子達の下の名前は?」
耀哉「寝顔じゃどっちがどっちか分からないよ。何せ巌勝と縁壱張りにソックリ双子だからね(笑)起きたら聞いてみようか」
巌勝「双子は家系か…?」
縁壱「兄上、まゆは文珠で気持ちを鎮めた様ですが、あまり言わない方が宜しいかと…」
私は思わず「あ"ーぁ"気を使わないでぇぇぇっ」と叫んでしまった。正直言うと気を使われても気にする。私と云う奴は何とも面倒くさい女なのよね…
有一郎「煩いっ………此処は…………?」
無一郎「ん〜…あと五分…………」
まゆ「起きなっ」
子供達は目を開けて私を見ている。ちょっと言い方キツかったかな…文珠まで使ったのにね
巌勝「ハァ…まゆ、怒るなら後で私に幾らでも怒れば良い。だから今は少し、なっ?」
まゆ「……ごめん。私は煉獄まゆ。君達の名前は?」
有一郎「俺は時透有一郎。おばさんは何でイキナリ怒ってんの?」
はい、カッチーンと来たよ?
無一郎「兄さん、この人はまだお姉さんだよ。僕は無一郎っていうんだ。名前以外は憶えてないけど…」
巌勝「無一郎の言う通りまゆは若くて可愛いお姉さんであり、私と縁壱の嫁だ」
有一郎「何言ってんの?結婚は二人と同時に出来ないのにさ、おじさん頭オカシイね」
巌勝さんの顔中に青筋が出ている。同時に心なしか縁壱さんから苛立ちを感じ取ったのだった
無一郎「お姉さんは少しだけ可愛いよね。僕の彼女にしてあげなくもないよ?」
まゆ「はっ?」
縁壱「無一郎、まゆは真に私達兄弟の妻なのだ。それに無一郎はまだ子ども故に色気付くのは少々早い」
巌勝「揶揄いにしても度が過ぎる…」
中々に図太いお子様達よね。………ん!?
・