第29章 下山とウッカリと後の祭り
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出来上がった料理を運び終えると、聞き慣れた気配と声がした。何故来たし!!
アスモデウス「ごめんくださーい。まゆを構いに来ましたぁ!」
お構いなく…。メドーサと一ノ瀬は『ゲェっ』という顔をしている。私も激しく同意するわ。取り敢えず出ますかね
まゆ「何か用かしら」
アスモデウス「冷たいぜマイハニー。そういうとこも好きだぜ♡」
私は「キッモデウスめ…」と呟きながらも仕方がないから上がらせてあげる事にする
居間に案内すると、メドーサと一ノ瀬がアスモデウスに対して跪く。だから来てほしくなかったのよ。あまり好きな光景じゃないからね
メドーサ「アスモデウス様、お疲れ様でございます」
一ノ瀬「今日は何用でございましょうか」
アスモデウス「いや、楽にしてくれ。ここは人界でありまゆの生家だからね。ご家族に迷惑だろう」
まゆ「なら何で来たのよ。こうなるのは分かっていたでしょうに」
目は口程に物を語ると言うが、メドーサと一ノ瀬の目が『もっと言え。追い返せ』と言っていた。それに対しアスモデウスと父上が苦笑いをしている
アスモデウス「煉獄殿、私はまゆの同僚でアスモデウスと申します。最高指導者から今回の話を聞き、失礼かと存じますが此方に伺った次第でございます」
槇寿郎「は、はい。娘が世話になってます。今日はどういったご用件でございましょうか…」
ほんとよ!昔からアシュタロス以上に要らん事ばかりいうからウザいのよねぇ〜。私がアスモデウスの方をジーっと見ていると、巌勝さんが呟いた
黒死牟「男ばかりだな…」
まゆ「心配しないで。何にもないから」
本当に何もないのよ。アスモデウスを『男』だとか認識した事ないからね〜。巌勝さんと縁壱さん以外は敵か友達かみたいな?アスモデウスは『女の敵』だし(笑)
アスモデウス「突然申し訳ない。そこに居られるまゆの二人目の旦那さんが如何云う男性なのかを見に来たとでも言いましょうか」
まゆ「はぁっ!?余計なお世話もいいとこね。大体が何で今日、この場所なのよ」
黒死牟「私では駄目だと…」
巌勝さんは下を向き拳を握り締めて震えている。私のダーリンを傷つけるなんて許せない…
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