第28章 妙神山へ再び!!
・
私はソッと目を閉じて魔法陣を発動させた。光と闇の異なる力を別けて、同時に違う方向に流し込んでいく。ゆっくり…そう、ゆっくりよ…焦っちゃダメよ私!
縁壱「ぐぅ…………(今までとは桁違いの力…知ってはいたが直接となるときついな…これが魔王級と云うものなのかっ。)」
黒死牟「……………(供給されていた魔力よりも遥かに上。下手すれば意識が持っていかれる…)」
くっ、思ったよりキツイわね…。でも私が間違えたら二人が危ないのよ!油断したら混沌そのものが流れ込んでしまうわ。この魔法陣の欠点は二つあるの
一つは『混沌を受け付けずに魔法陣自体が消滅し、そのフィードバックが受給者にいくこと』二つ目は『余分な力を吸収出来ても度が過ぎると、それでも消滅し得ること』
フィードバックと吸収率の度合いが分からない以上は、少しずつ力の量を上げていくしかない。但し、限界ならばヒャクメからストップがかかる筈だわ
メドーサ「一ノ瀬、アンタは今の状況をどう見る?」
一ノ瀬「大きな力を流し込む事など必要が無いのに拘わらず馬鹿だなぁと」
メドーサ「同意見だよ。修行の主旨を完全に忘れてるねアレは」
力を別けて同時に使うなんて初めてだから、完璧な魔法陣が作れなかったのよ。情けない話よね…
黒死牟「……………(縁壱は大丈夫なのか…?)」
縁壱「……うっ………(声もあげずにいられるとは…流石兄上だ)」
お願い、耐えて…私も頑張るから…
ヒャクメ「完全に老師の説明不足なのね〜」
小竜姫「ヒャクメが魔法陣の事を褒めるから勘違いしてしまったのです。どうするのですか!」
斉天大聖「お主等も言わんかったではないか。だが、巌勝殿と縁壱殿の修行にもなるでのう」
一ノ瀬「持続的に力を別けて使うのが修行の主旨だろう?ならばこれ以上は危険を犯してまでする事ではない。言ってやるべきだ」
メドーサ「仕方ないねぇ…だけどアタシじゃアノ魔法陣は解けないね。猿爺、アンタしか無理だろうから任せるよ」
メドーサが斉天大聖に丸投げする。斉天大聖以外の者は私との力の差が大き過ぎる為、この場合しかたがないだろう
斉天大聖「フゥー…年寄りに無茶を言うのう」
・