第25章 妙神山入り!
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黒死牟「不安で居ても立っても居られませぬ!」
縁壱「老師様修行を…」
巌勝と縁壱に不安が募り、この二人にしては珍しく狼狽えている。しかし、斉天大聖は安心させようと強い口調で事実を口にした
斉天大聖「安心せい!!明けの明星もキッパリとフラレておるわ!!…まぁ、頃合いかの。修行を始めようか」
※妙神山編自体端折りに端折ります
こうして修行は始まった。斉天大聖が大猿になると、流石の二人にも嫌な汗が流れる
斉天大聖「ゆくぞ!!生きて此処から出てみせよ!!」
縁壱「…………」
黒死牟「威圧感で身体が千切れそうだ…」
これは修行と云う名の殺し合いである。巌勝と縁壱も人ではない存在で強者故に健闘はしているが、二人の雑念が消えず中々連携が上手く行かない様で何度も吹っ飛ばされていた
黒死牟「ぐっ………鬼でなければとっくにバラバラにされていたな…」
縁壱「中々きついですね…」
斉天大聖「ぬし等の力はこの程度か!それでよくまゆ殿を守るなどと言えたもんじゃ」
巌勝は挑発に唇を噛みしめ、縁壱は隙の糸を見つけようと斉天大聖を見据える
壮絶な戦いの行く末は…
ズドンッ
縁壱「ぐはぁっ」
黒死牟「ガハッ」
血を吐き地に伏せる二人を見下ろし、斉天大聖は「死んでしもうたか…」と呟いた。巌勝と縁壱は血溜まりの中に倒れ、ピクリとも動かない
せめてまゆに最後の姿を見せようと呼びに行こうと出口に足を向けた、その時
斉天大聖「なにっ…!?」
『グルル…』と巌勝の刀から黄龍らしきものが飛び出し、縁壱の身体からは癒やしの波動が感じられたのだった
斉天大聖「ほぅ、どうやら潜在能力を引き出して化けた様じゃな…」
二人は妙神山の客間に運ばれ、布団で寝かせられている。まゆの回復術(リカバィ)により状態は安定しているが目は覚ましていない
まゆ「ちょっとやりすぎではないかな?私の大事なダーリン達に何してくれんのよ!!」
斉天大聖「理不尽じゃな。それがワシの修行なのは分かっておるではないか」
まゆ「私は最初から反対だったわよ」
斉天大聖「ワシは聞いとらんでのぅ」
まゆは怒りを含ませた涙目で抗議している
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