第25章 妙神山入り!
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斉天大聖「本気で言っておるのか…ぬし等も躾けられてしまう側の男よの」
黒死牟「まゆなら有りですね」
縁壱「そうなのですかね…自分では想像出来ませんが…」
斉天大聖は『既に躾けられてしまっておるのでは?』と思ったが、微妙な空気が流れたので話題を変えた
斉天大聖「ワシもビックリじゃよ。まゆ殿が恋愛をするとは考えられんかった。ワシだけではなく、神魔界の誰しもが思わなんだからの」
黒死牟「それはまゆが人になって記憶が無かったからではなかろうか」
縁壱「魔族のままで出会っていたら、私達など相手にされなかったのでしょうね…」
斉天大聖「否、性格や気質は変えずに転生させた筈じゃ。よっぽど惚れ込まねば素直にならんかったじゃろうな。言っておくが恋愛面は縁結びだの何だのはしとらんでな」
斉天大聖の言う通りだった。戦国時代の転生時には今と同様に記憶と魔力を持たせる予定だったが、ガブリエルが力加減を間違った為に封じられてしまった
しかし、まゆ本来の性格がそのままなので皆が皆『人になっても行けず後家』と高を括っていたのだ。何とも酷い話である
黒死牟「話を聞く限りでは男が嫌いなのだろうな。まゆが恋をする事自体が奇跡と言えよう」
縁壱「素直に甘えてくれるのも、気持ちに応えてくれるのも何もかもが私達にだけ…」
斉天大聖「愛のなせる技じゃな。明けの明星ですら落とせなかった女子を落とすとは、ぬし等やりおるわい!あ…」
斉天大聖は『しまった!マズイ事を言うてしもうたかもしれん…』と、少々罰が悪そうにしている
だが、この男達が気にならないわけもなく…
縁壱「ルシファー様がまゆに…」
黒死牟「それは真でございますか!?」
斉天大聖「…まぁ、そういう事も有ったかの。遠い昔の話じゃから気にするでない」
巌勝と縁壱は顔色を変えて黙り込んでしまった。まゆが他の男に誘われたり求婚されても絶対に着いていかないし相手にしないのを知っているが、相手が『明けの明星』と迄うたわれているルシファーなら話は別らしい
二人共ルックスや性格、地位、全てにおいてルシファーに勝てるとは思っていない。まゆはルシファーを友達としか思っていないのだが…
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