第21章 私の秘密
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瑠火「そうだったのですね。嫁に送り出した時の話をお聞かせ願います」
まゆ「今日の父上と一緒よ。拗ねて拗ねて…二回目の時なんか、美月が紹介したい人が居るって言ったら『合う必要があるのか』ってさ。当日も中々布団から出て来なかったんだから」
縁壱「それは娘を持つ父親なら当然だと思う。お義父さんと私だけでは、断じて無い」
黒死牟「私も拗ねる絶対的な自信がある。その時はまゆ、背中を蹴り飛ばしてくれ!」
頼まれたくないわね、面倒くさい。そして『尻を蹴る』と『背中を押す』が混ざっちゃってるわよ…
まゆ「善処するわ…ついでに言うと陽縁に良い人が出来たそうだから、陽縁も嫁に行く日が近いかもね」
縁壱「嫌だ。陽縁は嫁にやらん、お付き合いも許さぬ…大体が、まだ幼子の姿ではないか」
縁壱さんが私の言葉に間一髪入れずに答えた。実は陽縁が彼氏を連れて来る日にちが決まっているのよね
何て言おうかしら…
槇寿郎「縁壱、お前は俺の娘を今日貰いに来ただろうが…あっ、絶望のポーズをして泣くでない!俺も泣きたいわ!」
黒死牟「確かに…」
杏寿郎「中々に複雑な心境だな!!」
ゲンナリしちゃう…陽縁だって三百歳は過ぎてるのよ?逆に言えば三百年も一緒に過ごしたのだから、いい加減に拗ねないでほしいわ
瑠火「陽縁さんも歳的には嫁に行っても宜しいのでは?」
縁壱「お義母さん、娘は幾つになっても娘ですから…」
まゆ「陽縁は姿の年齢を少しだけ変えられるようになったらしいわ。だからもう大人よ!」
杏寿郎「うーむ…俺には分からんが、認められない様な男だったら認めなければ良いのでは?何なら俺か成敗する!!」
黒死牟「私も手伝うぞ…いや、寧ろ私が殺る…」
槇寿郎「魔族や獄卒は日輪刀で斬れるのか?試しに斬ってみよう」
でら物騒!!一体何を言ってるか分かってるのかしら!?
槇寿郎「日時と場所は決まってるのか?」
まゆ「今日から五日後で、朝から光柱邸に連れて来るってさっ。縁壱さん、今の彼氏と結婚に繋がるかどうかは別よ。気軽に会ったら良いでしょう?」
縁壱「お付き合い自体を許さないのに会ってどうする。今すぐ別れる様にまゆから伝えてくれ」
これだから言うの嫌だったのよ!
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