第21章 私の秘密
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口イッパイにケーキを頬張ってモグモグとしている千寿郎がマジ大天使!!もしかしたら私の為に送られてきた天使なのかな!?
千寿郎「モグモグ……甘くてフワフワで美味しいです!!」
縁壱「口がリスの様になっておるな」
槇寿郎「慌てずともケーキとやらは逃げないから、ゆっくり食べなさい」
可愛さで天然記念物になれるよね
まゆ「皆も食べてみて♪」
瑠火「では、頂きますね」
縁壱さんが残りのケーキを切り分け、私が皆に配った。ケーキ入刀でもしたら良かったかしらっ♡
皆揃って「美味い」と舌鼓を打っている。父上は「酒と甘い物は合わんだろ」と最初は言っていたが、今飲んでるのはブランデーだから意外に合うらしく、大人しく食べている
アシュ「では私は帰ります!長時間の人界滞在は上が五月蝿いんですよ〜」
槇寿郎「機会があれば、またいらしてください!」
まゆ「今日は本当にありがとうね!」
皆それぞれ別れの挨拶をして、アシュタロスは魔界へと帰って行った
一通り食べ終わり片付けをしようと、母上と席を立った。千寿郎が自分も、と言って腰を上げたけど母上が「ゆっくり食べなさい」と再び座らせる
槇寿郎「ふぅ〜…娘を嫁に出すと云うのは何というか…分かっていても心臓を抉られている気分になるな」
縁壱「分かります。私もそうでしたから…祝言の当日など、頭の中に美月を育てた記憶が駆け巡り…如何しようもなく泣けてきました」
黒死牟「二回とも随分ゴネたらしいな…」
杏寿郎「縁壱殿がゴネるとか想像がつかん!!」
男性陣が『娘を嫁に出す事について』を話している間にも、私と母上は洗い物をしていく
縁壱「祝言の真っ最中も美月を見て泣きながら、只管に酒を流し込んでいました…透寿郎殿が反応に困ったそうです」
黒死牟「お前を知るものなら当然の反応だな」
槇寿郎「俺も泣くかもしれん…」
杏寿郎「あれは本当に困った…ん?何故に俺が困るんだ!?」
杏寿郎の言葉に三人の男が反応した。それはそうだろう、何せ四百年前の出来事である。杏寿郎には関係の無い事なのだから…
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