第21章 私の秘密
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私が母上に共感の眼差しを送っていると、パタパタと可愛い足音と同時にドドドドドッと廊下を走る音が聞こえた
スパーンッと襖が開き、杏寿郎と千寿郎が顔を出す。素晴らしい笑顔で(笑)
槇寿郎「お前達は呼びに行く迄は稽古をしていろと言っただろうが!!」
杏寿郎「父上、大変申し訳ありません。待ち切れなくて来てしまいました!!」
千寿郎「姉上お久しぶりです!千を抱っこしてください!」
まゆ「うん、おいで♪」
千寿郎って可愛いなぁ♡
槇寿郎「ところで、誕生日会には時間が早いのではないか?」
分かっていても言うのよね…
黒死牟「けふは夜明け早うからかたじけない。某共から、お義父上殿とお義母上殿に聞いて頂戴したい話がござるで候」
槇寿郎「あ、あぁ…」
武士言葉ってこんなんだったっけ…っていうか、巌勝さん元々そんなに武士言葉使って無いわよね?緊張のあまり『やってもーた』なのか、堅苦しくしようと思ったのかどっちなの(汗)
ガチっぽい侍言葉に父上が戸惑ってるよ!?
縁壱「まゆが十五歳になりました故、嫁に頂きたく参った次第でござる。お義父上殿、まゆ殿を嫁にくだされ!」
黒死牟「お義父上殿、この通りでござる。まゆを我らの嫁に願いたもうぞ!必ず恭悦至極に致すで候!」
あっ、私も分からないけど多分正しくは違う…と思う。普通に喋れば良いじゃない!何をそんなにパニクってるの!?
槇寿郎「落ち着かんか、焦るでない。おっ、俺にも覚えはあるりゃ…」
父上も落ち着いてくださいっ
黒死牟「誠に…かたじけない…私も縁壱も待ち侘びた日でございます。故に、少々混乱を致しておりました…。お義父さん、まゆと結婚させてください!」
縁壱「まゆを嫁にください!」
父上は腕を組んで考える仕草をした。杏寿郎も父上と同じ仕草をするが、恐らくは『今更考える事ではないのに、何故だろうか!!』と考えているのではないかと思う
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