第21章 私の秘密
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火乃華の言葉で縁壱さんは漸く頭を上げて立ちあがると、もう一度深く頭を下げて私を火乃華の前に出した
縁壱「まゆ、火乃華様に言う事が有るだろう?」
まゆ「火乃華……わっ…悪乗りが過ぎたわよね…本当にごめんなさい!!」
私は火乃華に深々と頭を下げて許しを乞う。千年もの間ずっと言えなくてごめんなさい…
火乃華「ふんっ、旦那さんに免じて許してやる…もうするなよ。それと、千年前の私の選択は正しかったのかは分からない。怖かったんだ、高島に私と同じ存在になれと言った所で拒絶されたらと思うとな…」
まゆ「そうよね…」
火乃華「私はまゆみたいに強くないからな」
私も拒絶されるのが怖くて縁壱さんに言えなかったから、火乃華の気持ちは分かる
まゆ「私もよ…人ならざる者になるなんて事を縁壱さんは望んでないって思ったの。だから言えなかったわ」
火乃華「意外にヘタレなんだな」
まゆ「私も火乃華も好いた男の前では、ただの女って事よっ」
火乃華は「それでもそうだな…」と言って笑い、抱き着いてくる。嬉しくなって私も抱き返した
火乃華「もっと早く会いに来んか馬鹿…寂しかった」
まゆ「ごめん…。自分が悪いのが分かってたから、何となく気まずかったのよ…私も凄く寂しかった」
お互い寂しかったのね
一番の親友だった。否、大好きな親友だから!
火乃華「で、いつまでメソメソ泣いている。要件を言え」
まゆ「泣いてないわよ!えっと、本題は…火乃華は幾度となく鬼から人を守ってきたと思うんだけど…結界の範囲を広げて、広範囲で鬼を感知出来る様にしてほしいの」
縁壱「これから先、今迄より更に鬼舞辻との戦いが激化致します。火乃華様の、お力をお貸し願えればと…」
火乃華「わかった。しかし私は他の神々と違い完全に括られてしまっている身、あまり遠くへは行けないからな。人を保護する為に私自身がそこまで駆けつけられるか、という問題がある。結界だけで守れれば話は別だがな…」
火乃華を、他の神々同様に自由に動ける身にしたら良いのよね
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