第21章 私の秘密
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まゆ「そんな男だからこそ、火乃華を幸せに出来るんじゃないかって…」
疾の昔に分かってた。私が火乃華を傷付けた事を…
火乃華「やり方が間違ってる。お前と玉藻の前が何をしたか、忘れたとは言わせん!」
私と玉藻の前がした事は至って単純。名付けて『火乃華を嫉妬させて高島殿に告白させよう』作戦だ
思い出されるのは千年前の肌寒かった日。私と玉藻の前が高島を挟んて両側から抱き付いて、火乃華は怒った顔で私達を見捉えていた
高島『うはっ!遂にワイの時代が来たんやぁぁぁ!!』
玉藻の前『高島って良い男よねぇ〜まゆ』
まゆ『えぇ、強いし優しい…私の大事なもの上げちゃう♡』
玉藻の前『私もよ♡』
高島に私達の加護を口移しで与えたの
まゆ「火乃華が高島殿に素直な気持ちを言わないから、私と玉藻の前で『私達が誘惑しちゃうぞ』ってした。だって私達と人では寿命が違い過ぎるから、後悔してほしくなかったの…」
火乃華「それが悪いと言っている!だいたいが何をしに来たんだ」
縁壱さんが腕を組みながら私を見つめ、心なしか怒っているように見える
縁壱「火乃華様…」
縁壱さんの視線と身体が火乃華の方を向き、地面に手を着いた
縁壱「妻が誠に申し訳ない事を致しました」
火乃華「なっ…」
何で縁壱さんが謝るの?火乃華を怒らせたのは私と玉藻の前なのに
私が悪いのよ。だからやめて!!
まゆ「縁壱さん!やめてよっ、私が悪い!火乃華、本当にごめんなさい!!」
火乃華「そうだ、まゆが悪い。だから貴方は頭を上げてくれないか…」
それだけの事をしてしまったんだ…私の浅はかな考えが火乃華を傷付けて、縁壱さんに頭を下げさせた
事の重大さと向き合ってしまった私は、居た堪れなくなって身体を震わせる
縁壱「しかし、妻の行いは夫である私の責任。謝罪は当然の事でございます」
火乃華「千年前はまゆと出会ってもないのだから、貴方は関係ない!」
そうよ、縁壱さんには関係ない話だわ
縁壱「それでもです。まゆは私の妻ですから…」
火乃華「……許す、許すから頭を上げろ!私はまゆに、少しでも反省してほしかっただけだから!」
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