第21章 私の秘密
・
縁壱「火乃華様、お初にお目にかかります。まゆの夫であり、陰と陽の陽を司る神魔中立の長、継国縁壱でございます」
火乃華「貴方がまゆの…悪い事は言わんから考え直した方が良い。これは性格悪いぞ、ほ・ん・と・う・に!!」
まゆ「そこまで言う!?」
絶対に離れるものですか!巌勝さんと縁壱さんは永遠に私のよ…ふーひっひっひっ
縁壱「まゆはとても正義感に溢れ、優しくて可愛らしい女性ですから…離れる気はありませぬ」
火乃華「そうか…良かったなまゆ。お前の事は嫌いだが、旦那さんは良い人みたいだから祝福はしてやる。ありがたく思え!千年前の事はまだ忘れてないからな、おたんこなすめ」
まゆ「元はと言えばアンタがウジウジしてるからでしょーが!だいたいが私は玉藻の前の案に乗っただけよ!」
火乃華はムスッとしながら、私を嫌いになった経緯を縁壱さんに聞かせた。私は『何も縁壱さんに聞かせなくても良いじゃない』とは思うが、それを遮っては話も聞いてもらえないだろうと我慢した
それは千年以上前に遡る。アシュタロスが京の都に許可なく降臨して色々やらかしたので連れ戻しに言った時の事。よく知った神気を感じ、とある屋敷へと寄った事が始まりだった
そこには一人の男に寄り添う火乃華の姿があった。男は大変に女好きで、姿を見せた私に「綺麗なネーちゃんの乳しり太腿ぉー」と飛びかかってきたのだ
名は『高島』という陰陽師で、人間にしては力があると思った。私に飛びかかってきた高島を火乃華は蹴り倒して言った
「するなら私にしろっ!!」と…私は『へぇ〜私以上に色恋に興味のない火乃華がね』と面白くなり、私が一ノ瀬と偽装結婚するまで、毎日通い続ける事になる
だって、人の色恋ほど面白くて美しいものはないもの
火乃華「それから毎日の様に高島の屋敷に来て私を冷やかしていたんだ。九尾の女狐も連れてな!」
まゆ「高島殿は面白い男だったわ。神魔妖なんて関係なく、私達を女の子として見てくれる。下心ってよりも既に上心だもの(笑)隠して近付いてくる男なんかよりか断然好感もてたわ!」
縁壱「ほぉ、そんなに良い男だったのか…」
火乃華は「最高の男だった」と言い、俯いた
・