第21章 私の秘密
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スーッと玄関に黒い羽根を生やした目麗しい男が現れた。手にはコキュートス名物『明けの明星サブレ』を持って
まゆ「上がれば?」
ルシファー「遠慮なく上がらしてもらうぜ!初めまして、悪魔王ルシファーっつーもんです。まゆとは仲良くさせてもらってます」
槇寿郎「…初めましてまゆの父、煉獄槇寿郎です」
黒死牟「私は継国巌勝と申す者。弟と妻がお世話になっております…」
縁壱さんが座布団を敷くとルシファーは座り、自己紹介が行われた。心なしか巌勝さんの顔が険しいように見える
縁壱「ルシファー様、昼餉を一緒に如何ですか?」
ルシファー「おぉっ、すまねーな!頼むぜ!」
まゆ「巌勝さん、子供達が凄く世話になってるの!縁壱さんの人界行きとか色々ね♪」
巌勝さんは「そう言えば聞いた名だと思った」と言い、雅勝達が世話になった礼を言った
ルシファー「礼には及ばねぇよ。子供達すげぇ可愛くて何かしてやりたくなるっつーかよ…まゆとは永い付き合いだしな(笑)悪魔の王として出来る限りの事はさせてもらうつもりだ」
まゆ「上司にしたい悪魔No.1なのよ♪部下を凄く大事にするから天神界でも上司にしたいって子いっぱい居るんだから!」
黒死牟「これぞ王の器ですな…鬼舞辻とは格が違う…」
当たり前じゃない!性格も顔も超ド級の良い男を小物臭漂う男と比べてほしくないわ
だけどね、鬼舞辻の生い立ちを聞いてしまうと思う所はあるのよ。もしも『普通に産まれて普通に育っていたら…』『鬼になる前に、私が出会っていたら絶対に治すのに』って…
鬼舞辻が病に苦しんでいた当時は平安京に居たのにも拘わらず、一ノ瀬からは何も話が無かったから知らなかった。一ノ瀬の様子が可怪しくなった時期があったのに、私は理由を聞きもしなくて…後から聞いた話だと、鬼舞辻に会わせた事もないに『従兄弟の病を治してほしい』などと言えなかったそうだ
鬼舞辻が鬼となって多くの人を殺しているのは『病』が元凶。言わない一ノ瀬と、そんな一ノ瀬を問い質さなかった私の責任
そこで一ノ瀬を問い質して鬼舞辻の事を聞いていたのなら違った未来が有った筈なのに。たらればを言ってても仕方がないのだけどね…
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