第20章 LOVE×中毒
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まゆ「その通りよ。でも、このままと云うわけにはいかない…」
黒死牟「では如何したら良いのだ。策はあるのか?」
私は顎に手をやり考えた。本来私の中は、この子が宿るべき場所ではない。だとすれば…
まゆ「この子が本来宿るべき場所に帰してあげないと死産になるわ…早く、お母さんを捜し出さなければ命が危ない」
縁壱「ならば急がねばならぬ」
槇寿郎「捜せるのか?」
黒死牟「文珠だろう、そこは」
私は「そうね」と返事をして文珠を作り出した。でも文字は何にしたら良いかしら…全く思い付かないわ
縁壱「『捜』か?」
まゆ「うーん…この子はまだ確立されてない弱い存在だから『捜』では確実とは言えないわ。霊波も弱いから、お母さんとの繋がりを追えない。鬼灯君なら調べられると思うから呼ぶわね。今グラウがソルに連絡してる」
黒死牟「そうか…早く戻してやりたいものだ」
そう言って巌勝さんは私を抱き寄せると、優しくお腹を撫でた
ちょっと時間かかるかもしれないけど最善だと思うわよ。だって私は文珠を使う事については素人だもの
巌勝さんが私の大きなお腹を撫でているのを見て、父上が眉を顰め「何か複雑だな…。魔力は使えないのか?」と、私に問う
まゆ「無理ね。そんな魔術を知らない…魔族化してチートも考えたけど、多分私の魔力に耐えられなくて最悪この子は消滅よ」
魔力を使うにしても、霊波が追えないから魔法陣を組んでも意味が無い。魔族に戻れば話は別だけど、そのせいでボゼに何かあったら責任取れないもの
縁壱「鬼灯殿を待つしかないでしょう」
槇寿郎「それもそうだな…」
父上と縁壱さんが厳しい顔で頷き合っている中、私と巌勝さんは超ほのぼのとしていた
まゆ「あっ、伸びしてるみたい♪グィ〜ンって動いてる(笑)撫で撫でされて嬉しいのかなぁ?」
黒死牟「腹の上からでも分かるな。フッ、小さい足だな…」
今度は眉毛を下げる父上が「…増々複雑だ」と、呟いた
まゆ「近い将来、本当にこうなるかもね♪」
縁壱「鬼舞辻無惨を倒してからだな」
黒死牟「無限城の場所が分からないのが致命的だな…鳴女の血鬼術が無くては、私でも行けぬ場所故…」
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